なくなった携帯電話の行方

短編2
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なくなった携帯電話の行方

2年前の話です

ひいじいちゃんが死んだ。死因は老衰だった。

96歳まで生きたから、長生きだなー。とか思ってて、

学ランを着て

葬式に向かった

(当時高校3年生

それまでは実感が沸かなかったけど、ひいじいちゃんの姿をみると、痩せていて冷たくて固くなっていて・・・

そしてお母さんとじいちゃんも泣いてて、本当にひいじいちゃんが死んだと実感した。

そしてお通夜?(夜ずっとお酒やらを飲んだりする日)の時、

「もう、明日焼かれちゃうんだよ」

とお母さんに言われた。

おれもいつかは死ぬんだよな・・・。

次の日

いよいよ火葬の日がきてしまった。

最後に一目見ようとみんな挨拶をしていく

挨拶とはいっても

今までありがとう だとか

天国に行っても見守っててね とか

ひいじいちゃんは俺が小さい頃、いつも甘納豆をたくさんくれた。

だから豆じいちゃんと呼んでた。

だから ありがとうもこめて、ひいじいちゃんのとなりに甘納豆を入れた。

それを見たみんなは鼻水をすすったりしてて、おれも悲しくなった・・・

3時間後くらいに火葬し終わったのこと

長い箸で遺骨を箱に入れる

豆じいちゃん・・・

色々考えてたりしてた

箱にいれおわり

お開きになると思いきや、じいちゃんがなんだか騒いでいる。

「携帯がない。」とのことだった。

俺は家に忘れたんだろとか言って小バカにした

「昨日あったから泊まってたところか?いやあの後もあったな・・・」

棺桶に入れたんだろ

うけねらいで言ったら

じいちゃんにゲンコツをくらった。さすがにこれはまずかったらしい。

するとばあちゃんが一言。

「あんた、棺桶に入れてたとこ見たよ。泣きながらだから忘れたんかい。」

すると他のひとも

確かに とか言い出した

ま、まじだったんかい

するとお母さんの携帯に

電話がかかってきた

プルルルル

「こういう場では電源切るのが当たり前だからね」

いかにも頭のいい人のふりをして俺はそう言った

「あぁ電源わすれてた」

しかし、番号を見てホントにびびった

名前表示が

お父さんからの電話だ

(お母さんのお父さん、おれのじいちゃんからの電話)

えええ

焼かれた携帯から

まさか天国のひいじいちゃんから

俺はそんなことを一瞬で思ったが、発言はしなかった

10秒ほどで切れた

びびったのは俺だけじゃなくて、そこにいたみんなが

えええって感じになってた。

それからはじいちゃん携帯買いなおしたけど

もしもあのとき俺が咄嗟に電話に出てたら

豆じいちゃんと最後に話せたんかなぁ・・・

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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