しかし私のグループの何人かは心霊に興味を示して鬼太郎と話すうちに垣根を無くして親しくなっていきます。すると他グループの心霊に興味のある人が鬼太郎の話を聞きたそうにしてます。
そこで「実は鬼太郎はいいやつだから仲良くしておいた方がいいよ。心霊で困った時には頼れるのは鬼太郎なんだから、一言ごめんって謝れば許してくれるよ」と言っていくうちにクラスの半分近くは鬼太郎と普通に接するようになり、守る味方が増えてイジメは大幅に減少しました。
夏休みのある日に数人で遊んでいた時に調子にのって外は暗くなっているのに、隠れん坊をしました。この日、鬼太郎はいませんでした。
私は自分の家の庭のように知っている路地裏や抜け道を利用して、しゃがんで隠れていました。
しかし昼間とは違って外灯が少ない夜になると暗闇をつくる場所となり闇独特の不気味な雰囲気が漂っていました。
すると私の背後から「ハアッ……ハアッ……ハアッ」と、息づかいが聞こえてきました。「ヤバい、このままじゃ見つかるな」と思っていると、後ろは行き止まりであることに気がつきました。
ここまでは一本道で私は誰よりも真っ先にここに来ました。隠れん坊で、ここに来ているのは私だけ。探しに来るなら背後ではなく正面からでないと不可能です。
「隠れん坊じゃないのに僕より先に来て、こんな何もない何も見えない場所に誰かいるのか」と考えていたら、走り回って汗で濡れたシャツ一枚の私の背中に後ろから口で吹いたようにヒヤッとする冷たい息が、首筋から背骨に添って上から下にゆっくりと。
そして右耳の裏側を下から上にザラッとした感触で舐め上げられました。
ゾクゾクゾクッ!!と凄まじい速さで鳥肌が立ち恐怖で声がだせず、体が震えて硬直しました。
頭がパニックで何も考えられなくなりました。すると前から誰かが私の腕を引っ張り上げて体を起こすと腕を掴んだまま走ろうとします。
しかし背後からシャツを引っ張られ動けません。
掴んでいた腕を離して、私の襟元に鋭利な物で切り込みをいれると両手でシャツを左右に思いっきり引っ張られました。シャツが裂けて、上半身裸になった私を掴んで一緒に走り去りました。
外灯のある明るい場所まで走ると立ち止まりました。その場で私は急に吐きました。鼻と口から同時に吐くので息ができずに苦しんでいました。
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怖い話投稿:ホラーテラー ミルキーウェイさん
作者怖話