短編2
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隙間6

鬼太郎が部屋で夏休みの宿題をやっていると、疲れたので背伸びして目を瞑ると私の顔と私の背後に潜んでいるものの姿が見えたそうです。

潜んでいたものが火事で見た女性とは違いますが、同様にズルッと皮膚がただれ落ちていて、私を狙っているのではないかと心配して、もしもの時にと自分なりに準備していた道具を詰めたカバンを手に駆けつけたと言いました。

私は「僕のいた場所が、それでわかるなんて凄いね!!」と言うと「違うよ、耳鳴りを使ったんだよ」と鬼太郎は笑います。

金縛りを体験したことのある人の中で、心霊現象による金縛りは霊が近寄ってきます。

その時に金属音のようなキィーンという音が聞こえるそうです。

鬼太郎は金縛り意外でも近くに霊がいれば耳鳴りがするので意識を集中させて、ある程度離れた距離でも音の鳴る方向と鳴らない方向。

霊のいるポイントとそうでないポイントを聞き分けれるようになるまで鍛錬して身につけた特技だそうです。この特技を使って私のところまで来てくれたという訳でした。

そんな話をして鬼太郎は帰りました。

その後、御住職様は鬼太郎の霊感を自分のものとするセンスと才能に感心されていました。

特別な修業を積んでも会得は困難だそうです。

更に家系や先祖は関係なく鬼太郎自身が過去世において、積んだ福徳の因が現世の果となって身についたのではと、だから火事でも命が助かったのだと推察されていました。

私は御住職様より、今後一切、夜で明かりのない路地裏や建物と建物の間にある狭い隙間などへ絶対に近づいてはならないと言われました。

理由を尋ねますと、私が隠れていた場所は昔、多くの人の血が地面に染み込んだ場所の1つだそうです。

例えば疫病や飢饉あるいは戦や戦争などで亡くなった死体が山のように積まれていた場所です。

一時的であれ一度こういう場所を設けると縁を結び、時代が変わっても死体を積んだ因を引き寄せていき、その因が積まれて、果として不思議ではありますが、同じ場所に死体が積まれるのだそうです。

そうやって長年に渡って流れた血が染み込んだ土地で、更に何の供養もされていない場所がまだ存在し、また供養されずに年数が経つと、より危険だそうで迂闊に近づくと手の施しようがないと教えてくれました。

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怖い話投稿:ホラーテラー ミルキーウェイさん  

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