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中編3
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地球の逆襲 コピペ

地球温暖化による北極の永久凍土の氷解が止まらない。

北極に出掛けた海洋調査研究隊は氷の一部を持ち帰り、凍土の実態を研究、公表した。

その氷の中からは見た事もないウイルスが発見される。そしてそのウイルスは常温の中で再び活動を開始した。顕微鏡で見たウイルスの姿はまるで氷の結晶の一部か棺桶のようだった。ウイルスはその姿と北極の解けた凍土の中から蘇った事から研究者によって”アイスコフィン”(氷の棺桶)と命名された。

海洋調査研究隊と、ウイルスの研究員全員がお互いを殺しあって死を遂げたのは、その2週間後の事だった。

これはそのウイルス漏洩と世界的な感染拡大に到るまでの記録の一部である。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

『午後の天気予報です。本日の最高気温は39度。今日で10日連続の真夏日となります。熱さ予防と熱中症対策の…』

「ふぅ、寝苦しかったと思ったら今日も暑くなるのか」

『あんたスポーツドリンク持って行きなさい!それとインフルエンザ流行ってんだから、家に帰って来たら必ずうがい手洗いしなさいよ!』

「わかったよ母さん!」

俺は汗をぬぐうためのタオルをバッグに詰め込む。

『それでは次のニュースです。昨日未明渋谷センター街で起こった無差別殺人事件ですが、容疑者の男は”今だに夢か現実なのかわからない。全てゲームのつもりだった”と語っているようです…

ニュースを見ていた母さんが呟く。

『あらやだ、また殺人事件…前も秋葉原で殺人事件があったばっかなのに。ここんところ通り魔やら無差別殺人やら立て続けに事件が起こるわね…』

俺はそれを聞いて急いで玄関へと向かう。

『あんたもファミコンのやりすぎで殺人とか起こさないわよね』

母さんのここ最近の口癖だ。

「母さんこそニュースの見すぎだよ!いってきまーーす」

その頃のワイドショーでは新しい総理大臣と新型のインフルエンザ流行の話題ばかりだった。今回流行りのインフルエンザは不思議なことも多く、特効薬のタミフルが効かないことで問題になっている。

ちまたでは流行ってるのかもしれないが、周りに感染者がいない俺には危機感なんて全くなかった。

今日は大学で午後からマーケティングの授業だ。借りてた携帯ゲームのソフトを高橋に返す約束の日だ。

『え〜…つまり海外市場において…』

 ガラガラガラッ

『ん…?…おほん!…商取引は消費者のために…』

「やっべー、遅刻したから今長谷川センセーが俺の事見たよ」

『おい、遅せぇよ。早くゲーム返せ』

先に授業を受けてた高橋が俺に話しかける。

「あー悪い悪い。ってか授業終わってからでいくない?」

『あ?今でイイっしょ。どうせ長谷センだから見たって無視無視。スルーしろスルー』

「わかった」

俺はカバンの中をあさってゲームソフトを取り出した。

『こらああぁぁっ!!』

         ビクッ

やばい、こっちに向かって怒鳴ってる。

『そこ!何を喋っとるかああぁぁ!!』

いつもおとなしい長谷川センセーが怒ってる。こっちに来る。

『毎回毎回喋りおってええぇぇ!!』

俺らの手前で長谷川は止まった。どうやら違うヤツらを叱っているようだ。

『聞く気がないヤツはこうだ!!』

  『ぐげええええぇぇぇ…』

 「きゃあああああああああ!!!」

長谷川が前の生徒に体当たりするのが見える。体当たりされた生徒は獣の様な呻き声をあげた。教室がざわめく。女が悲鳴をあげる。周りの人間が次々立ち上がる。後ずさる。走る。走る。走る全員散る走る走る走る走る

『…やったぞ!ついに言ってやった!!おまえら全員おれをなめやがって!おれは先生だぞ!授業を聞け!!おれの方が偉いんだよ!!おまえらは全員俺の生徒だぁぁぁぁ!!!』

先生の目が血走っている。手には刃物の形の真っ赤な柄が握られている。ナイフだ。刺された生徒が膝から折れて倒れた。振り回してる。次々に刺してる。刺してる。血飛沫が飛ぶ。刺す。こっちに来る。

こっちに来る。

〜コメント1に続く〜

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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