中編3
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怖い夢?!

沖縄県の北部にある某キャンプ場での出来事。

たくさんの友達とその家族、合計すると50人弱の人数でキャンプをしました。人数が多いため2人で幹事・会計を受け持ち、部屋の振り分けから、キャンプあとの片付けの振り分けやらで大忙し。

キャンプ最終日、私ともう一人の幹事を担当してくれた友達は、楽しいことよりも雑用で疲れ果てていました。その友達と、彼女の子供達。私と私の家族は、せっかくキャンプに来たのにのんびりせずに帰るのが惜しくてもう一泊することにしました。

朝私達以外の人たちが帰った後、のんびり広場でくつろいだり、残っているお肉でバーベキューをしてゆったりと過ごしました。日が落ちて、夜のビーチを散歩しようと言う事になり、彼女と私だけでは心細いので、男の子達と夫も一緒に行くことになりました。

ビーチのすぐ後ろには、沖縄特有の家に似た墓が広がっています。人気のない浜は、なんだか寒気に似たヒンヤリなのか生暖かいのか分からない風も吹き、子供達の笑い声をかき消すような木のうなる音もしだして、これ以上ここにいてはいけないような圧迫感を感じ、部屋へと戻りました。

部屋では、女性と男性に別れて部屋を取り、私は彼女と一緒の部屋になりました。女が集まれば当然話しは盛り上がり、夜中3時までおしゃべり。そのころ話しは怪談に似た体験談になり、毎年のようにこの施設を利用して私達はキャンプをします。そのときは彼女は限って悪夢にうなされて夜熟睡することが出来ないそうです。

私は一切霊感はないので、キャンプの度爆睡。もちろん隣には夫が寝ているから安心して眠れるのかもしれませんが。その晩は違っていました。もう3時も回っているし、そろそろ寝ないと明日がきついから、と彼女が寝息を立て始め、すぐに深い眠りに入っている。それなのに私は、目は閉じているけども、頭は完全に冴えて眠れない。

そんな時、目は閉ざされているから回りは見えないのだけど、私が寝ている部屋の壁がいつの間にか消えていて、思いの中に広場と公園の遊具がはっきりと見えるのです。私達が寝ている部屋の西側に大きな建物があって、食堂もそこの中にあります。

その大きな建物の前には黒い服を着た集団が集っています。声は聞こえませんが、なにやら相談している様子。すると今度は北側にある沢山のお墓から多くの人が出てきます。地面を歩いていると言うより、空中を歩いている感じ。私が寝ていることに気がついていないようで、私と友達の上を歩いて行きました。

大きな建物の前に立っている人たちと合流して何か喋っています。そのうちの一人が、私の意識があることに気がついて、私に向かって指を指しました、そのとたん私はしまった!気づかれたと思い、早く眠るようにと頑張ったのですが、余計に気が高ぶって寝付けません。

私に気がついた人が、周りを促しこちらに向かってきます。顔はこちらを向いているのによく見えません。凝らしてみるとそこに集まっていた2,30人の人はみんな顔がありませんでした。その恐ろしさに私は気を失ってしまったようです。気がついたら朝になっていました。

いつものように部屋があり、壁があり、友達は私より先に目覚めていました。おはようと、彼女が私に声を掛けてきました。夢だったのか、実際に起こったのか定かではありませんが、夕べの出来事を話して聞かせました。彼女は、信じたような信じられないような、夢だったんじゃないの?という返事。

今でもその出来事は、夢だとは思えません。彼女は私がうなされていたおかげでぐっすり眠れたと言っていました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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