【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編4
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姉なりの気遣い

●霊はほぼ出てきません

●身内の小話です興味の無い方はスルーで

ご了承のうえ どうぞ。

私自身にはまったく霊感は無い。

姉にもまったく霊感は無いらしい。

・・・姉の言う「霊感0」は納得いかない。

幼少期、まだテレビ放送の規制もユルユルだった当時は、現代なら苦情電話が殺到するであろう色々な意味で【刺激的】な映像も垂れ流し状態。

特に映画のCMなどを見ている時は、かなりハイレベルなエロスやグロが問答無用で目に飛び込んできていた。

そんなご時世だった当時、ショッキングな映像が流れると、すかさず私の目を手で覆って隠すのが姉の役割。

しかし、隠されれば見たくなるのがヒトの性である。

遠ざける教育がアダとなって、小学生になる頃には「恐怖モノ」へ興味津々で寄っていく物好きな性格が出来上がってしまった。

レンタルビデオ店でホラー系ビデオが置かれている棚へ、こっそり近寄っては遠目に(←目の前のでしっかり見る勇気はない)パッケージを盗み見しては、一人でブルーになっていたのも懐かしい思い出である。

そんな私を諌めつつも、心霊番組などを見てブルブルしながらはしゃぐ私に付き合ってくれたのは姉だった。

※怖いもの嫌いな父と母は自室へ逃亡。

TV画面が視界に入るギリギリまで顔をそらして おっかなびっくり番組を見る私とは正反対に、画面から目もそらさず淡々と見ている姉。

「こわくないの? おもしろくない?」

と聞けば

「いや、けっこうおもしろいよ?」

と、返す姉。

淡々とした表情で「おもしろい」と言う姉の方が不気味に感じた。

そんな姉が「ちょっと違う」顔を見せたきっかけとも言える出来事。

当時、大学性だった私は友人らと沖縄旅行へ出かけた。

旅行から帰り数日後、その頃はすでに家を離れて現在の旦那と同棲していた姉がふらりと実家にかえってきて、私に会うなり開口一番

「沖縄で写真撮ったでしょ?」

旅行だ。

もちろん写真くらい撮る。

「あんたが一人で写ってる写真あるでしょ? なんだろ? 木? の前で一人で写ってるやつ あんたが、やや右半分に写ってるやつだよ」

は?

なぜ知ってる?

その「見たことあります」的な解説は?

実家にいない姉が写真を見ることは当然できない。 私自身も、それに該当する写真があるかどうかも覚えてないくらいなのに、なぜ姉が見たこともないはずの写真の特徴を言えるのか・・・?

驚きとも不審ともつかぬ気持ちのまま、沖縄の写真を検めてみたところ

あった。

姉の言う特徴を備えた写真。

とりあえず姉にその写真を見せると

「これ あんまり焼き増しとかしちゃダメだよ でも普通にしまっておくぶんにはOKだと思う」

姉いわく、写真の左上に【なにか】あるらしいが、姉もうまく説明できないし、細かいこともわからないとの返答。

そんな曖昧な説明で一連の出来事に納得できるはずもない。

「なんで? 写真見せてないよね? それに心霊写真とかじゃないし (私が見るかぎり)別になにも写ってないじゃんか?」

疑問をアレコレぶつけてみるが、当の姉はというと

「写真に関することは、気付いたら「なんてなく」知っていた」

「写ってるモノも、【なにが】写っているのかはよくわからないので説明できない」

とのご返答。

なんだ それ。

さすがに詳しいことをつっこんでみた。

どうやら、彼女は昔から、ふとした瞬間にいろんなことに【気付く】ことがあるらしい。

それは

ツキが変化する瞬間だったり

飼い猫が何を言わんとしているのかだったり

これから訪れる幸運や不運、またその原因だったり

高確率で幸運を招く対象(懸賞とかクジ)だったり・・・

と、様々なことに「なんとなく」気付くという。

ただ「勘」の域を出ないようなことなので、あまり人に話すまでもなかった。 が、時たま今回のような「気をつけた方がいい」事態に気付いた時はそれとなくオブラートに包んで伝えているようだ。

写真については

「身内のことだし、話しちゃってもいいか」

と思ったとのこと。

そういえば、我が家には彼女が懸賞で当てた家電類が多い。

「霊感!」「予知能力!!」

と騒ぐ私に

「違う!!」

と、バッサリ。

彼女がいうには、本人はこの感覚を「霊感」や「予知能力」とは思ってないらしく、また、思いたくもないらしい。

「コワイもの好きじゃないの?」

とツッコむと

「むしろ 嫌い」

と、これまたバッサリ。

「昔はテレビとか一緒に見てたのに?」

「あー・・・・あれね

なんか 、あんた一人にしちゃマズイよな〜・・・って わかってたから」

怖いものからは目を覆い隠し、テレビ鑑賞には黙って付き合ってきた姉の行動。

どこまでが「お姉ちゃん心」の配慮で

どこからが「それ以外」の配慮だったのか。

感謝しつつも寒気が走った。

現在、姉は妊娠中。

まだ性別も知らぬ小さなわが子に対し

「ねえ 男?女? どっちが生まれるの?」

「男の子」

即答の姉。

本当に当たったらIK●Aで見かけたメチャクチャ可愛い小児男子用インテリアを一式買い揃えてやる約束をした。

甥っ子は欲しいが、トータル10万越えの出費は真剣に怖い。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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