10年程前に体験した話です。
大阪にとある有名な心霊スポットがあった。
リバーサイド病院。
その名の通り、川の横にある病院だ。
今は取り壊され、公園になっている。
その病院は、噂では精神的に病気のある方達が入院している所だと、私は聞いたが、実際は分からない。
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私がまだ二十歳の時、昔からの地元の友人3人と飲んでいた。
女の子のM、と男のW、と私。
仕事の事や、家族の事、3人共心から何でも話せる親友だ。
ふと、時計に目をやると、夜の10時を過ぎていた。
私「ごめん、明日仕事やからそろそろ帰るわ。」
M「うちも仕事やで。もう少しいいやん」
私「わかった、あともう少しな。」
W「それやったら、今からリバーサイド病院行かへん?」
M「行く行く!」
怖いもの好きな私達は、すぐに店を出て、リバーサイド病院に向かった。
病院の前に着いた。
病院のガラスは全て割られていて、外からでも中が伺える。
逸見てもただならぬ空気を醸し出している。
病院は西館と東館に別れていて、西館は外の窓から簡単に入れるので、皆慣れていた。
一方、東館は、右から正面入り口に入り、排水タンクをよじ登り、誰かが作った幅三十センチの板を進まなきゃならない。
高い所がダメな人は、行けないような所だ。
板を越えると、中庭の様な所に着く、そこの窓から中に侵入していく。
私達は難なく入っていく。
病院に入ると、一気に温度が下がり、夏なのに肌寒かったのを記憶している。
しーん
辺りは、怖い位静かだ。
私達の、足音や声だけが、響き渡る。
取りあえず、最初は、屋上に行こうという事になり、階段をあがっていく。
ここで不思議な事が1つ。
3階だけが、何故か入り口に物が沢山置いてあり、先に進めないのだ。
まぁその時は気にせず、階段を上って行った。
最上階に着くと、バーカウンターの様な場所があり、ガラスや壊れた椅子や机が散乱していた。
そのカウンターの横の窓から屋上に行き、三人で写真を撮った。
怖いのは雰囲気だけで、何も出ない。
三人は、少ししょぼくれながら、1階の受付ホールへと向かった。
すると、3階で、不可解な事が起きた。
3階の奥の方から、
「おーい、おーい、おーい」
声が聞こえてきた。
M「嘘やん。誰か居てるで」
私「返事しない方がいいって!」
W「あほ、誰か閉じ込められてたらどないすんねん、、おーい!誰かいてるんかー」
「…………」
声がしなくなった。
それと同時に、奇妙な音が聞こえてくる。
ギギ、キィ、ゴキ、ギギ。
私「何か変な音聞こえるよ」
M「逃げよう!!」
その言葉に三人は一斉に走りだした。
ダァー
しかし、上からは奇妙な音が、さらに大きい音に変わり、近づいて来るのが分かる。
ゴキっ!バキバキ!ギギ!
2階に来たときだ、1階から、子供が2人手をつないで、上ってくる。
上にも下にも行けず、2階の手術室らしき所に、体を寄せあいながら、震えていた。
泣きじゃくるM、下を向いているW。
私も、正直、死を覚悟した。
ゴキ、バキバキ、バキッ
前まで来た。
ドーン!!
扉が開く。
私は見てしまった。
女だった。
何故か、着物を来ている。
そして音の正体が分かった…。
首の骨が歩く度に、前に、バキバキバキバキ、後ろにバキバキ、バキッ。
裸足で歩いてくる。
何故か顔は無表情。
私達は何回も、何回も、謝った。
ガシッ!?
顔を捕まれ、耳元で女が小さい声で笑っていた。
その瞬間意識が無くなった。
気が付くと、病院の手術のベッドで寝ていた私達。
無意識に走りだし、急いで外に出た。
その瞬間涙が止まらなかった。
失神した後、何かされたのだろうか。
それとも、夢だったのだろうか。
怖い話投稿:ホラーテラー 夢さん
作者怖話