読みたいという方が居ましたので書きたいと思います。
次の日、昨日と同じようにテレビを見ていました。
昨日あれだけの恐怖を味わったのに完全に忘れていました。
その隙を狙っていたように金縛りに合いました。
その瞬間にあの時の恐怖を思い出し汗が吹き出しました。
ヤバい怖い。
なんで俺がこんな目に合うんだ。
ヤバい、今日は昨日より怖い。
あの時、蹴飛ばして窓から投げたし絶対に怒ってる。昨日みたいな奇跡は多分ないし。
視界の隅に赤黒い物が見える。
やっぱり、復讐にきたよ。すみませんでした。ごめんなさい。
ひたすら心の中で謝り続けました。
生臭い匂いが近付いてくる感じがゆっくりで恐怖でおかしくなりそうでした。
辛い怖い臭い。もういいよ、殺してくれ。
早く、もう耐えられない。解放してくれ。
諦めて体の力を抜いて待ちました。
早くと願っても昨日よりゆっくりと近付いてきます。それに、昨日はなかった音がします。
ぬずりゅと、なんとも言えない音がします。
昨日とは違う事がたまらなく怖かったです。
わざとみたいなスピードで近付いてきて全体を見て、さらに恐怖を感じました。
昨日は手首までしかなかったのに、肘くらいまであるのです。
さらにどす黒くなり禍々しく濡れ光っていて指も三本ではなく四本になっていました。
昨日はなかった薬指が今日はある。
今日は首を締められる。
リアルな恐怖にまだ首を締められてないのに息苦しくなり気が遠くなりかけた時、手が足に掛かりました。
気絶もさせてくれないんだ…。
昨日とは違うずっしりとした重さに恐怖が大きくなり早く殺してくれと願いました。
ゆっくりと首に手を掛けて力が入ってくるのが解ります。
一気にやってくれと苦しさに耐えているのに、これ以上は力を入れてこないのです。
あれ?力を入れようとヌルヌルともがいているのは解りますが、これでは死ぬまではいかない。
理解した瞬間、昨日と同じように凄まじい怒りが金縛りを解き、手を引き剥がしテーブルの角に叩きつけて意味不明な事を怒鳴り散らして指を踏みつけました。ボキッボキャと骨の感触を感じ怒りはありますが冷静になりました。
次みたら指減らしてやるって言っただろーがと言って窓から投げ捨てました。
その時も俺は勝ったという気持ちが凄かったです。
変な話しですが、凄く嬉しく充実感でいっぱいでした。
昨日と同じく血が出るまで手を洗い落ち着きました。
あんまり大きい声で怒鳴っていたのでしょう、母が心配そうな顔でなんかあったのかと聞いてきたので話しました。
不思議そうな顔をして変な事もあるんだねえと言い一つ教えてくれました。
ヤ○ザは指を詰める時になんで小指か解る?
小指がないと拳を握っても力が入らないからと教えてくれました。
なるほどと思いました。
小指がないと、なにをするにも力が入らないから助かったと思い少し怖くなりました。
明日またきたら…。
まぁ来ましたけどね。
怖い話投稿:ホラーテラー 鍵仁さん
作者怖話