Aはしばらくその状態で目をつむっていた。
しばらくすると口元が動き始めた。
何を言ってるのか聞き取れないが目を閉じたまま何か言っている。
俺は心霊現象とかUFOとかそういう世界は全く信じない。
だからAのやっていることは理解出来なかった。
ただAのことが好きだから理解しようと努めた。
シーンと静まりかえった部屋。
お香の匂いがきつい。
俺何してんだっけ?
そんなことを思い始めた時
…なんだか聞こえたんだ。
小さな声でボソボソって話し声。
えっ!?
音のする場所に顔を向けた。
…そこはAの机。
空耳なんかじゃない。
俺は机に恐る恐る近寄る。
その時
ドアをノックする音が聞こえた。
俺は悲鳴をあげそうになった。
「お手伝いさんだよ」
Aはドアを開けおやつを受け取った。
俺はさっきの話し声が気になって仕方なかった。
「机の中見たい?」
俺の心を見透かすように言いAは机を開けた。
中にはあの人形しか無かった。
「これは私の悪い分身。だから人に触らせたら駄目なんだ。」
悪い分身ってなんなんだ???
「もっと聞きたい?」
俺の腕をさわりながらAは身体を寄せてきた。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話