僕が20歳の頃。
いつものように、バイトを終え帰宅。
飯食って、風呂入って、就寝…。
明け方、痛みで目が覚めた。
両手が痛い…。
まだ薄暗い部屋の電気を点けて、絶句した。
両手のいたる所に、米粒大の
”膿”ができていた。
手の平を埋めつくす黄色い膿の気色悪さは、自分で見ていても吐き気がした…。
が、気色悪さよりも痛みがスゴイ。
両手が痛みで痺れてきた。
とにかくガーゼと包帯でグルグル巻きにして、速攻で皮膚科に。
ガーゼを剥がすと、その場の全員(医師・看護士・自分)が
『うっ!!』
強引に口を使って巻いた包帯やガーゼのせいで、膿が潰れグチャグチャに。
そこから血もにじんで最悪な状態。
あまりの状態…。
とりあえず、化膿止めの薬を塗ったガーゼをつけてもらった。
問題は、原因。
一夜にして、手だけがこんな状態になったという事は、
医師:『昨日、何か変わった物を触ったかい?』
僕:「え…?う〜ん、いつも通りバイトして…あっ!!」
思い出した。
僕のバイト先はスーパーの青果売り場。昨日、バイト先のパートのオバちゃんが、
「○○を触った後は、手が荒れるから気をつけるんだよ。」
※○○は、果物の名前ですが具体名は避けさせていただきます。
医師に話すと、
医師:『おそらく、あなたは農薬アレルギーでしょう。
皮膚の小さな傷から、○○についた農薬が入った事で膿ができたと思われます。』
僕:「でも、僕、今まで他の野菜や果物とか全然平気でしたよ?」
医師:『農薬にも種類や濃度の違いがありますからね…。
あなたには、○○の農薬は毒だったんでしょう。』
およそ一ヶ月間、抗生物質を投与してグチャグチャの状態は回避できた。
…有機栽培とか無農薬とか、流行る訳がわかった気がする。
怖い話投稿:ホラーテラー 葉月さん
作者怖話