アスモデウス

七つの大罪の一つを司る悪魔アスモデウス。
どのような悪魔なのか見てみよう。

◆悪魔アスモデウスの起源

ゾロアスター教の暴力を司る悪神の一人アエーシュマが起源だとされる。
アエーシュマはアヴェスター語で「狂暴」を意味し、ザラスシュトラ直説である宗教詩「ガーサ」にも出てくる由緒ある存在であるとされる。
ザラスシュトラはゾロアスター教開祖である。
このアエーシュマはペルシアにて3千年以上前から伝承されるアエシュマ・デーヴァがその由来であり、これは世界でも最古参の悪魔である。

アエーシュマはアスモデウスとなりユダヤ教外伝であり、旧約聖書続編である「トビト記」にてギリシア語形アスモダイオスとして登場する。

◆悪魔アスモデウス

「トビト記」の悪魔アスモデウスは美しい娘サラの夫を初夜の日に次々と絞め殺す悪魔として登場する。
7度も夫を初夜に失ったサラは死を願うことになる。
そこへ大天使の一人ラファエルが登場しアスモデウスを捕らえ、エジプトの奥地に幽閉する。その後サラはトビトの息子であるトビアと結婚した。
アスモデウスはサラ自身には手を出していなかったとされる。

アスモデウスはキリスト教の七つの大罪のうち「色欲」を司る悪魔とされている。
「復讐公子」、「剣の王」、「地獄の王」などの異称を持っている。
堕天使であり、もとは「智天使(ケルビム)」であったとされる。
セバスチャン・ミカエリウスによるデーモンの階級では「熾天使(セラフィム)」とされており洗礼者ヨハネに対抗するとされている。
「ゴエティア」によるとソロモン72柱の魔神の1柱で72人の悪霊の頭目とされ、アマイモン配下の東方の悪魔のトップであり、72の軍団を率いる序列32番目の強大な王とされる。

また、アスモデウスは72柱の創設者でもあるソロモン王に唯一抗った悪魔ともされている。
ソロモン王がベルゼブブなど強大な悪魔を封じられたのは神から譲り受けた指輪のおかげであった。
一度は捕らえられたアスモデウスであるが、言葉巧みにソロモンを騙し、鎖を解いてもらうとソロモンの顔を打ち付け玉座から引きずりおろしてしまう。そして指輪を奪われたソロモンは、とんでもなく遠い所まで投げ飛ばされてしまった。アスモデウスは奪った指輪は使えないため、海に投げ捨ててしまう。そしてアスモデウスはソロモンに変身して王になりすまし政治を行うことになる。
ソロモンになりすましたアスモデウスは700人のソロモンの妻と寝て、叔母にまで言い寄ったとされている。このあたりが「色欲」を司る所以とも言える。
その後、ソロモンは偶然にも魚の腸からソロモンの指輪を見つけることになる。
指輪を取り戻したソロモンはエルサレムに戻りアスモデウスを倒し玉座へ復帰する。

ちなみにこのソロモン王が建てたとされるイスラエル神殿を築く際にアスモデウスから全ての石を切る伝説の石「シャミール」の在り処を聞き出し、それを使い神殿を建てたとされている。
このシャミールは石を思いのままの大きさと形に切り出すことが出来る巨大な虫で、操ることができたのはアスモデウスだけだという記述がある。

アスモデウスは召喚した者が丁重に頼めば、幾何学、算術、天文学、工芸術を教授し、美徳を司る「星まわりの指輪」を与えるとされる。財宝の在り処を教え、守護もしてくれるとされる。

◆悪魔アスモデウスの姿

悪魔アスモデウスは召喚されると、牛、人、牡羊の頭とガチョウの足、毒蛇の尻尾を持ち、手には軍旗と槍を持って地獄の竜に跨ってあらわれ、口から炎の息を吐くという。

コランド・プランシーが描いた悪魔アスモデウスが有名な姿である。
その姿は確かに3つの頭を持っているが真ん中の頭は人というには耳が尖っており、どちらかというと獣に近い。そして頭の上に王冠を載せている。

悪魔アスモデウスは歴史的に古くから存在する悪魔なようだ。
ソロモン王にも対抗した強大な悪魔なのである。

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