大分県別府市の志高湖畔にあった遊園地が志高ユートピアだ。開園は1968年で2003年には閉鎖されている。西日本唯一のレーシングカーとのコースが名物で、一時期は多くの観光地が訪れた。一応は「休園」ということになっているが、再開の目処はなく、中は荒れ放題になっている。心霊スポットとして、また廃墟として有名である。一部のアトラクションは完全に取り壊されているが、多くはそのまま残されており半倒壊、もしくはほぼそのままの形で残っている。中では実際に自殺者が出ており、霊らしきものを目撃する人も多い。

志高ユートピアの一番の名物は、「幽霊屋敷」と呼ばれるアトラクションだ。ここはお化け屋敷が廃墟になっていて、非常に不気味な雰囲気が漂っている。またこの中で自殺した人間がいるそうだ。自殺者はここが廃墟になってから、人がこないためにひっそりとこの建物の中で首をつり、数週間たってから、探索に訪れた人によって発見された。見つかったときには腐乱死体となって建物内には強烈な臭いが充満していたそうだ。

ある廃墟好きの男性は友人二人と、休日の昼間にここ志高ユートピアを訪れた。中は広大であり、巨大迷路やホテル跡などを見て回ったが、ここが心霊スポットとしても有名だとは知らなかった。もちろん幽霊屋敷で自殺者が出ていることも知らなかった。様々なアトラクションのあとを見て回ったあといよいよ幽霊屋敷に入ってみたのだが、そこは他の建物とちがってじっとりとした、嫌な空気が漂っていた。建物の不気味さのせいではないかと思ってそのまま友人たちと中に入って写真をとったりしていたのだが明らかに雰囲気が悪い。中は真っ暗だったため懐中電灯で照らしながら進んでいたが、建物の中奥深くに入っているときに急に懐中電灯の電気がつかなくなった。真っ暗の中でパニックになりかけたが、まだ外は昼であるため、明るい方向を探して進んで行こうということにして、手探りで外に通じる道をゆっくりと進んでいった。

男性は先頭に立って、両手を前方に広げて進んで行った。数歩進んだところで、手が何かひんやりとしたものに触れた。それは柔らかく、しかし動物や人間にしては異常に冷たかった。男性は悲鳴を上げそうになったが、お化け屋敷の仕掛けの一つが残っているのだろうと自分に思い込ませて、さらに先に進んだ。すると今度は足に柔らかいものを踏んだ感触があった。さすがに怖くなった彼は友人の名前を呼んだが、返事は遠く離れたところから聞こえてきた。藁にもすがる思いで何度も友人を呼び、その声を聞きながら先に進んだが、あるところで強い力で腕を引かれ、そのまますごい勢いで引きずられた。パニックになった男性は、暴れて叫びながら抵抗していたが、気がつくと明るい外に出ていて、横には友人が二人でおそるおそる顔を覗き込んでいた。

男性が友人から後から話を聞くと、男性は幽霊屋敷の中で、急に一人で先に歩き出し、建物の奥に向かって何かを叫びながらどんどん進んで行ったという。友人二人はこれはやばいと思って暴れる男性を取り押さえて、引きずりながら建物の外に連れ出した、ということだった。腕を掴んで引っ張ったのは、霊などではなく友人で、建物の奥にいたのがおそらく霊だったのだろう。

幽霊屋敷で自殺した人の霊が、その男性を誘い込んでいたのかもしれない。志高ユートピアは、半壊状態の建物が多く、ただでさえ危険な状態であるため、安易な気持ちで侵入するのはさけた方が良いかもしれない。

大分県別府市東山一区526
33.265676
131.445277
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