蝦夷の酋長の首が、流れ着いたとされる岬。灯台や廃屋などで霊の目撃情報が多い。

首崎(くびさき)は、岩手県大船渡市三陸町越喜来烏頭にある岬である。

三陸町はかつては交通が非常に不便であったため、「陸の孤島」・「奥四ヶ浜」と呼ばれていた。

この岬に行くには、近くの郵便局周辺から林の中を抜けて行くしかないのだが、三陸沖地震での津波の影響もあり、岬への山道は土砂崩れなどが発生してかなり足場がわるいので注意が必要だ。

険しい山道を抜けると、海にむかって聳える崖の上に聳える首崎灯台が見える。

この首崎は越喜来のシンボルともなっている。海の中に聳えるような姿の岬と、そのすそに迫る白い波がしぶきは、海のアルプスとも言われる程。しかし、そうした荒々しさとは対照的に、灯台付近には美しい海岸植物が咲き乱れている。

そんな首崎の名前には、少し恐ろしい伝説が残っている。
その昔、この岬には蝦夷(北海道)のアイヌの酋長の首が流れ着いたといわれており、この伝説から“首崎”という名前になったと言われている。

また、近年に入ると、幾つかの霊現象とも追われる目撃談がこの岬を中心に噂されはじめた。

首崎灯台では幾つかの霊の目撃談が続いている。海を眺める男の幽霊、和服姿の女性の幽霊などが夜間に目撃されており、その時、灯台の裏手に回ると、そこにまだ火のついた線香が置かれているといわれる。

そして、この岬は地元では自殺の名所として名高い。岬の先から飛び降りた死者の霊が現れるというものもあるが、最も有名なのは灯台の下で焼身自殺した人間の霊が出るという噂だ。実際にここで焼身自殺があったそうであり、それいらいこの灯台にはもがき苦しんだような手形が時折現れ、なんど上からペンキを塗りなおしても現れて来ると言われる。

その他には、この岬の周辺に曰く付きの廃墟があるという。

昔、この地域が周囲と隔離され、酷い過疎に落ち居たとき、近親交配が進んでいった時代。産まれてくる子供の中には不幸にも奇形となってしまったものもいた。村人はその子供たちを匿うため、村のはずれのあるこの小屋にかくまって育てていたといわれる。

また、最近では津波の影響もあり、この地域周辺では震災後に亡くなった人々の霊が彷徨っているとも言われる。

三陸沖の海岸は津波の影響によって家屋そのものが流されたこともあり、多くの犠牲者を出したほか、ガレキと共に海の中へと消えてしまった人も居たという。

そうした人々の霊が三陸地方の海岸に現れては、まるで生きているかのように普通の生活をしている姿が度々目撃されている。

津波で亡くなったはずの近所の老人が、最近になって当たり前のように家のまわりをうろついている姿を見た。津波で死んだはずの一家が、夕暮れになると海岸に現れ、楽しげに遊ぶ姿が目撃されている。

同じ岩手県の慰霊の森と同じく、こうした霊の場合はけっして面白半分で見ようと思ってはいけない。

あの大震災によって一瞬にして命を奪われた多くの人たちは、今も自分が死んだ事に気が付がついていない。また、あまりに突然に訪れた死のため、死んだことを認めたく無いのかもしれない。誰かに危害を加えることもなく、恨みごとを言うことも無い。ただひたすらに普通に人々に挨拶をし、普通に生活をし、普通に家族との時間をこの世ですごしたいだけなのである。

そうした霊に対して、我々がとやかく恐れる必要も、噂を立てる必要もないだろう。彼らがいつか地震の死に気が付くその日まで、我々もあたりまえのように接し、生きて行けば良いだけなのだ。

大船渡市三陸町越喜来
39.10531
141.861259
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