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UFOという言葉を耳にしたとき、多くの人は空を飛んでいる姿を想像すると思う。なぜならば今までに私たち人間が目撃したというUFOは「空をふよふよと漂い、不規則な動きを見せた後サッと何処かへ飛び去ってしまう」というようなシチュエーションが多かったからだ。よくテレビ番組などで言われる、「地球外から人間の住む世界を偵察に来ている」という説が正しいかのように、UFOは現われては消え、空を飛行しては去り、我々人間に接触してくるということはほぼないと言っても過言ではなかった。だが、とある事件の発生が、そんな未確認飛行物体における我々のイメージを綺麗にくつがえすことになる。
 時はさかのぼって、今から約46年前の1968年のことだ。その年の2月2日の早朝、ニュージーランドのオークランドという場所。ハミルトンから電車や車で数時間走ると間もなく辿り着くことが出来る自然豊かな土地。そんなニュージーランドの田舎町でその怪事件は発生した。当時、オークランドで牧場を経営していたエイモス・ミラー(当時39歳)はその日の早朝、息子のビル・ミラー(当時17歳)と一緒に自分の所有する畑の柵が壊れていたのを一生懸命修理していたという。するとちょうどその時、上空から「ビビビーッ」というような謎の音が聞こえてきたという。鳥のさえずりでもなければ風の音でもない、どこか機械じみた奇怪な音だったという。エイモスとビルが二人揃って音のする方を見上げると、なんとUFOらしき未確認飛行物体がこちらへ向かって飛んできたのだ。UFOはそのままエイモスとビルのすぐ近くの上空5メートル程度まで近づいて来るやその場に止まり、そのままジッと静止したまま動かなくなった。UFOの形は典型的な円盤形に塔のようなものが上に乗っていて、おまけに丸い形をした窓のような物が側面にたくさん並んでいたと噂されている。やがてUFOはその機体の下部分から脚のような物体を3本ほど延ばし、地上へと着地した。突然の出来事に驚く2人だったが、父親であるエイモスはその飛行物体の物珍しさもあって、その機体へと近づいた。息子のビルはと言うと酷く怯えてしまい、少し離れた場所からエイモスが機体へ近づく様子を黙ってみているだけだったとされる。事件が起きたのはその時だった。突然UFOから目が眩むほどの光が発射され、機体の近くにいたエイモスの身体を貫通したのだ。エイモスは後ろにはじき飛ばされるかのようにその場にドタッと倒れた。エイモスが地面へ倒れるのと同時に、UFOはまた「ビビビーッ」という機械のような音を発しながらあっと言う間に上空へと離陸し、飛び去っていったという。この事件の怖い話はここからだ。息子のビルが慌ててエイモスに駈け寄ってみると、エイモスはすでに死んでしまっていた。その死に様はとても目を当てられるものではなく、髪の毛や頭皮が後頭部にかけてどろどろに溶けるようになくなってしまっていて、溶けた傷口からは頭蓋骨や脳味噌らしきものが見えてしまっていたというのだ。ビルは警察に通報し、かけつけた警察はその場に居合わせたビルを重要参考人として捕縛したが、エイモスの死体を解剖したところ、頭皮のみに傷が出来ている上に、全ての骨から燐だけがなくなっているという怪奇現象が起きていることがわかったのだ。さらに実際に現場にはUFOが着地したとされる跡のようなものもあった。その大きさといい、死体の損傷といい、とても人間の子供に出来る所行では無かったため、警察はビルを釈放したという。
 だがこの事件、全てが本当にあった出来事なのだろうか?という意見も存在している。実はこのエイモス・ミラー事件というのは日本において極端に有名であるが、海外へ出ると全くと言っていいほどに知られていないのだ。ネットなどで検索をかけたとしても、日本語の情報発信サイトがひっかかるばかりで、肝心のニュージーランドなどを発信とする情報は出てこない。このことからも、もしかするとこの事件の存在そのものが日本人御得意の創作物語であるという可能性も捨てきれないのだ。だが、この事件の他にもUFOが人間を攻撃したとされる事件は存在する。未確認飛行物体が安全であると言い切ることはまだまだ出来そうにない。