1965年11月9日の夕方、ニューヨーク州をはじめとするアメリカ北東部の9つの州とカナダの2州一帯を、突如、大停電が襲った。
発端はナイアガラ滝の北方2キロに場所に位置するサー・アダム・ベック第2発電所の回路の原因不明の停止だった。突然の事態にカナダ、トロントに電力を供給するラインがわずか4秒で他のラインも遮断され、カナダ・アメリカ東部統合高圧送電線網を完全に崩壊させた。
夕方といえばラッシュアワーのピークだ。中でもニューヨークは大混乱に陥った。地下鉄は全戦その場でストップ。信号機が機能しない道路は事故が頻発。空港は閉鎖され、着陸予定の便は他の都市に回された。陸上の航空誘導レーダーに頼る船舶も、危険な状態にさらされた。
街中においても、エレベーターは人を乗せたままストップ。停電による事故で病院に救急患者が搬送され、病院自体がパニックに陥っていた。教会は「敵の攻撃」を恐れる人々であふれかえった。
「敵」とはUFOである。
というのも、この大停電が発生する直前から停電後にわたって、停電該当区域に数十個のUFOの大群が出現していたというのだ。目撃者は極めて多く、各地の地上や空で見たという証言が寄せられた。ナイアガラ滝発電所付近でも大停電が始まる直前に、丸く輝く物体がパイロットによって目撃されていた。
ニューヨーク州の地域紙「シラキュース・ヘラルド・ジャーナル」は、近隣住民から「奇妙な飛行物体を目撃した」という報告が100件以上も寄せられたと報じた。写真誌「タイム」も、カメラマンが撮影した上空を飛ぶ丸い光体を掲載。
実は、UFOが接近すると、地上の電気装置や人間に影響を及ぼすことがあるという。「EM効果(電磁効果)」と呼ばれるもので、今回もこれが停電の原因ではないかと指摘されている。似た事例はイタリアやブラジルにもあり、あながちバカにできない「仮説」といえそうだ。
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