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【2011年】小惑星ベスタにUFO墜落痕

NASAは準惑星を調査する無人探査機ドーンを打ち上げた。調査の対象となったのは、小惑星帯に眠る準惑星と呼ばれる天体の中で最も大きなセレスと4番目に発見されたベスタという準惑星だ。補足を加えると、セレスの質量だけで小惑星帯全体の4分の1を占めるほどのものである。
そして今回注目すべきはベスタはセレスの7分の2の質量を持っていて、こちらも小惑星帯において占める質量の割合は大きいものになる。
ベスタは1807年に発見され、その形状は楕円形をしているが、その表面は月と同じくクレーターが数多くある。このクレーター郡を作り上げたのは月に衝突した飛来物と同じ場所から来たと言われており、今回調査の対象になったのもクレーターの詳しい調査を含んでいる。その調査の一環として撮影された一枚の写真が、今波紋を呼んでいるのだ。それは何気ないクレーターのものと思われる写真であったが、よく見ると衝突痕が円形になっている。これを見たUFO研究家の間ではUFOが小惑星に衝突した痕だとする説が浮上しているようだ。
ただのクレーターの跡ではないかという説もないことはないが、他のクレーターと見比べながら考えてみることにしよう。一見すると確かにクレーターにしか見えないがそこには特徴的なものがいくつか見られることに着目する。まずクレーター(ここではまだ便宜的に)から飛び散るように伸びていく線状のものが確認できている。これは、出来たてのクレーターにしか見られないもので、その観点からも周りと比べて比較的近年にできたものだと推定できる。以下のリンクは、火星にできたという比較的新しいクレーターの画像であるので、見比べて欲しい。
http://livedoor.blogimg.jp/zap2/imgs/1/e/1ef2b22c.jpg
そして、これを見るとまた一つ疑問が出てくるのだ。通常の隕石によるクレーターは内部の物質が衝突時に同じようにして周囲に飛び散っていくため、火星のように周囲に均等(衝突角度にもよる)な線状の模様(光状物質)が出来上がる。しかしベスタにおけるそれは、あきらかに均一でないのが見て取れる。まるで潰れた窓から中身が飛散していったかのように左右に別れて飛び出ているように見えるのだ。しかし年代経過による消失の途中ということも考えられるが、それにしてもこのクレーターができたのは比較的最近であるというのは疑いようもない。
時間的なスケールで見ると、クレーターの光状物質が消失するまでの時間は、月面での時間計算でおよそ10億年と言われている。ベスタもすでに内部の対流がないと考えると月と同様の時間で風化すると考えられるから、少なくとも10億年以内にできたものであることがわかった。
仮にこれがUFOの墜落痕だと考えると、周囲には機体を引きずったような跡は見られないため、ダイレクトに小惑星へと衝突したのではないかと考えられる何らかの理由で故障し、急角度から思い切り小惑星に衝突したものとすれば、このような痕跡が残ると考えられなくもないだろう。
結局の所、結論としてはどちらの線にしても可能性を否定できないということだが、気になるのはこの衝突跡の他に比較的新しいクレーター跡が見当たらないということだ。あくまで公開されている写真からの客観的な推論でしかないが、これが意味する所というのは、想像をはるかに超えるものなのかも知れないということだ。