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イルクレーの宇宙人とは、イギリス・ヨークシャー州にある街『イルクレー・ムーア』に現れたという緑色の宇宙人である。

事件が起きたのは1987年12月1日。
その日、いつも通りに朝早く出勤したイルクレーに住む元警察官のフィリップ・スペンサー(仮名)は、義理の父の家へと向かう近道に、近くの丘を歩いて行くことにした。
彼は元々別な町で4年間警察官を勤めていたのだが、実家の近くに住みたいという妻の願いを聞き、退職後にヨークシャーに引っ越してきていたのである。
歩きながら、彼は例の奇妙な光体(この時、この周辺では謎の光る物体が現れると噂されていた)の写真が撮れればと思い、高感度フィルムをセットしたカメラをぶらさげ、手には日の出前の霧の中でも方角が分かるようにと方位磁石を持って歩いていた。
丘を進みながら、そろそろ丘の頂きに差し掛かろうという辺りで足を止め、写真のアングルを探していると、自分の目の前の霧の中に、ある奇妙な生物がいることを発見し、彼はとっさに写真を撮影したのである。
のちに、この生物を目撃したスペンサー氏に逆行催眠をかけ、その時の様子を暗示によって思い出させた。
・驚いて動けない自分の1.5mの近さにまで生物が近づいてきた
・自分はどこからか差し込んだ青い光に包まれ、体が宙に浮き始め、記憶が一時途切れる
・次に気が付くと、自分の左側から生物が走り去って行くのを見ていた
・「ヘイ!」と声をかけると振り返り、「あっちへ行け」という風に手を振った。
・とっさに写真を撮影、同時に、生物が去って行った

この時撮影された写真は、UFO研究家達の間ではラージノーズグレイ(リトルグレイの主人とされる)ではないかという説が唱えられている。

彼は写真を撮り終えると、この生物を追いかけたが、生物の行く手にドーム型をした銀色のUFOが低く浮かんでいるのを目にした。
ドームの上には四角い箱のようなものが浮いていており、ゆっくりとUFOの中に降りていったといわれる。
あの奇妙な生物の姿はどこにも見えなかったが、その後、UFOからは地鳴りの様な音がして、彼の手が触れるかどうかという音で徐々に速度を上げ、エンジン音の様な地鳴りが高まったかと思うと、そのまま空に飛び去ってしまった。
この時、あまりの驚きのため写真は撮ることができなかったが、UFOかあの生物が戻ってくるかもしれないと思い、しばらく待ってみたのだがもう戻ってこなかったとされる。

彼はあきらめて写真を現像するために一番近い村に歩き出したのだが、その時方位磁石を見ると、なぜか北のかわりに南を指していることに気付いた。
また、村に着くと彼の時計が1時間遅れていることに気付いた。
混乱した彼はすぐにフィルムを現像に出し、そこにあの生物が写っているのを確認した。
写真に写っていたのは、目と耳のおおきく、肌は緑色、手が異様に長い姿生物だった。
のちに氏が逆行催眠によって蘇った記憶によれば、それは身長1〜1.2m程度の体毛の無い緑色の体をしており、テニスボール程の大きな黒い目、鼻のような出っ張りはなく、口もただの線といった感じで、地面に着くくらいの長い腕をしていたという。耳は大きく、頭の上まで突き出ていた。手の指は太くて長い3本の指と1本の親指が向かい合っており、それぞれがソーセージのように太い。緑色の肌はサンドペーパーのようにざらざらしていた。足の指も手と同様に太くて長く、2本しかない指はV字型になっていた。

つまり、これが後に『グレイ・タイプ』と言われる宇宙人と遭遇である。
この事件は日本でも大きく取り上げられ、宇宙人の存在について言及するさい、必ずといっていいほど出てくる事件である。