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【1967年】ロニー・ヒル事件

1967年、7月21日アメリカノースカロライナ州に住んでいる14歳のロニーヒル少年がとある事件に巻き込まれて、全米を騒がせることになった。
彼は、当時中学2年生で地元のボーイスカウトに所属しており正直で賢明な少年として町でも人気であった。そんな彼がその日、自宅の庭で作業中に変なにおいに気がついた。ガスが充満しているようなにおいであり思わず目から涙が溢れ出たという。15分ほどたつと、あたりはさらににおいが充満し始めており、聞いたことのないぶんぶんという音が聞こえていた。そして、いつもなら聞こえるはずの鳥や近所の犬の鳴き声は全く聞こえていなかったそうだ。
あまりの不自然さに戸惑っていると空から奇妙な物体がおりてくるのを目撃した。それは黒い帽子のようであり彼は瞬間的にUFOだと直感した。そして、賢明な少年はその証拠をとらえようと家に戻り、カメラをとってきたのである。戻ってみるとその物体は地面に着陸していたそうだ。彼がその未確認物体をカメラにおさめようとしていたそのとき、その物体の中から見慣れない生物が降りてきた。小人のようであり、全長は1メートルほどであった。その光景にあっけにとられてしまい、カメラを使うのを忘れてしまうほどであった。その生物は細長い手足を持っており、輝く銀色のスーツを身にまとっていた。頭は緑がかっていて、目が輝いており、腰にはベルトをはめていたそうである。その生物は、ロニーの方に近づいていき、4メートルほどのところで立ち止まって、作業し始めた。手に持っていた物体を地面に差し込み、すぐに引き抜くと激しい騒音とともに帰っていったそうだ。
一部始終を目撃していたロニーは、その姿をカメラにおさめていた。また、その後に謎の生物についてゆったりよたよたとした足取りで、足が思うように動いていなかったと証言している。
ロニー少年がおさめたこの写真が、全米を揺るがす大騒動へとつながっていった。きっかけはロニーがこの写真を雑誌社に送ったことである。その写真は同時に研究者のもとにも送られることになったのだ。研究者の名前はジョン・キールといい、超常現象の専門家であった。彼はロニーと手紙でやり取りし、その中でほかの未確認生物の目撃証言と同じような証言があることや写真の様子などから、その写真や少年の証言はかなり信憑性が高いと判断した。それによってマスコミはこぞってこの写真を取り上げることになる。その際、ロニーとその両親たちは、例の写真に著作権をもうけている。それはそれ以前のUFOや未確認生物の写真が勝手に使われて、撮影者に一銭も入ってこなかったことが寄与していると考えられる。そして、研究者には安くその写真が使えるようにした。
さて、この事件の真相はいったいなんだったのであろうか。キールや雑誌の編集部は、この写真の信憑性を認めたものの、その結果には若干の違和感が残る。なぜなら、彼らは郵送によって紛失してしまうことを恐れて、写真のネガはみていないのである。また、実際に謎の生物がさしたという地面や、UFOの痕跡などもいっさい調べられていない。加えて、現像された写真は非常に非鮮明であり、それだけで宇宙人だと決める材料になるとはいいがたい。また、写真にすぐに著作権をつけたことも違和感が残る。また、カメラを持っていたのならばなぜもっと写真をとらなかったのか、なぜ宇宙人は少年に気をかけなかったのか、騒音に誰も気がつかなかったのかなど、不自然な点はいくつもあるのである。
結局この事件の真相は不明であるが、非常に疑問が残る事件であるといえる。