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【1947年】ケネス・アーノルド事件

いまでは世界に知らない人などいないUFOだが、目撃された始めた19世紀後半の時代は、UFOというもの自体を認識していなかった。その意味で、ケネス・アーノルド事件は世間一般の人々に、UFOという存在を知らせる結果になったといえよう。
1947年6月24日のことだ。この日、アメリカ・アイダホ州の実業家で副連邦保安官でもあったケネス・アーノルドは自家用の小型機に乗り込み、上空を飛んでいた。行方不明機の捜索依頼を受けての飛行のため、周辺に目を配って操縦していた最中のことだった。アーノルドは白い飛行物体が9機、高速で飛んでいるのを発見する。飛行していたのはワシントン州レーニア山付近。時間は午後2時頃のことだった。
飛行物体の高度は3000メートル。丸味を帯びた機体の長さは8メートルほどあり、冷静なアーノルドが飛行物体との位置関係から飛行速度を計算したところ、驚きの結果が出た。なんと時速2700キロという音速の倍に相当するスピードだった。
アーノルドは着陸後に自分が目撃した驚きの出来事を他のパイロットに語り、やがて話を聞きつけたAP通信の報道などを通じて世界にUFO遭遇事件は広まった。ちなみにアーノルドは、目撃した飛行物体をUFOとは呼んでいない。実はアーノルドは記者の質問に答え、「物体が水面を切るソーサー(皿)のように飛んでいた」と形容していた。このことから、UFOはフライング・ソーサー(空飛ぶ皿)と呼ばれ、やがて「空飛ぶ円盤」として認知されるようになっていったのだ。
事件の10日後にはロズウェル事件が発生したこともあり、ケネス・アーノルド事件は、世界の人々にUFOへの関心を高めさせる役割を果たすことになった。その意味で、この20世紀半ばの目撃報告はUFO史のなかでも記念碑的な一大事件だったのである。