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ユーロア・ビースト

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ユーロア・ビースト(Euroa Beast)はオーストラリアに現れたというUMA。
19世紀末、ビクトリア州ユーロア町近郊ワイロネビーに出現したといわれる。

ワイロネビーには、140メートルほどの沼がある。当時は葦が1.8メートル以上に成長し、見通しが悪かった。また、沼の周りにあった木が倒れ、沼の中には幾つもの倒木が転がっていた。

この沼に関して、1884年ごろから奇怪な噂が聞かれるようになる。
沼で遊んでいた犬が怯えて飛び出していって二度と沼に近づかなかったとか、9メートルほどある怪物が出るといった噂が出回った。

1890年の2月、南半球のオーストラリアでは夏の後半に差し掛かった頃、葦を刈る作業の為、この沼に二人の若者がやってきた。
沼の周りの地面は柔らかい泥で、一歩踏み出すたびに足を取られる。そんな過酷な環境の中、二人は必死に刈り取り作業を行い、沼の葦を刈り尽くしたが、この作業に1日使ってしまった。
この葦は刈るだけでなく回収しなくてはならないのだが、もう遅いため明日葦を取りに来ることにし、若者たちはその日は帰宅した。

翌日、昨日作業をした二人の若者のうちの一人が葦を運び出すために沼にやってきた。
葦を運ぼうとしたその時、沼に低く不気味な唸り声が響いた。沼から怪物が現れるのではないかと危惧した若者は、転がっていた倒木の上へと逃げた。
すると、30メートルほど離れたところに見たこともない生物が現れた。ブルドッグのように短い顔、オオトカゲのような胴体をもった両生類的な生物だ。
葦が刈られ棲家を追われたため現れたのだろうか?
若者は10分にわたってこの生物を観察した。生物は、しばらくして茂みの中へ消えていった。

その後、この話は雑誌に掲載されることになり、大勢の野次馬が押しかけた。また、地元住民による捜索隊や動物園による調査隊が編成され調査を行った。
調査では、謎の尻尾が目撃され、足跡も発見されたが、捕獲や種類の特定には至らなかった。

水に依存したライフスタイルを持ち、両生類・爬虫類的な特徴を持つことから、正体は絶滅した大型両生類の生き残りではないかという説がある。
また、大怪我を負って生き延びたワニであるという説や、普通より大きく成長したウォータードラゴンというトカゲではないかともいう。