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クロスウィックモンスター

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クロスウィックモンスター(Crosswick Monster)は1882年アメリカに出現したというUMA。

1882年5月、オハイオ州クロスウィックの南にある小川で釣りをして遊んでいた13歳のエド・リンチと11歳のジョー・リンチの兄弟は、背後に広がる丈の高い草むらから、草が擦れ揺れる音を聞いた。
兄弟が振り向き音の方へ向かうと、見たこともない生物がいた。

それは全長9〜12メートルの蛇に似た生き物だった。色は白と黒で、燻んだ黄色の斑点が入っている。

“蛇”は彼らの目の前で、突如として四肢を「出現」させた。
おそらく、四肢を収納するためのくぼみのようなものを胴体側面にもっていたのだろう。

そして、怪物は腕を伸ばしてエドの腕を掴んだ(体を掴んだとするものや、咥えたとする情報もある)。
エドを捕獲した怪物は川に沿って下流方向へ90メートル走り、大きな穴の空いたセイヨウカジカエデ(シカモア)の大木へ向かった。

怪物がエドを木の穴に引き込もうとしたとき、兄が連れ去られるのを目撃したジョーが発した悲鳴を聞きつけて、ジェイコブ・ホーン牧師、ジョージ・ピーターソン、アレン・ジョーダンの3人の大人が駆けつけた。
怪物は人が増えたことに驚いたのか、エドを解放して木の穴に姿を消した。

3人の大人は、近隣の住民に経緯を説明し、60人以上の武器を持った住民と猟犬たちによる討伐隊が編成された。
武器とはいっても、一般人の家にあるもののうち攻撃力の高そうな、斧や棒程度のものではあったが。

準備を整えた討伐隊は、怪物の棲家であるセイヨウカジカエデの木に攻撃を仕掛けた。
討伐隊の一行は、怪物は木の下の方に開いた穴から姿を表すと思っていたが、実際には上に開いた穴から姿を現した。
怪物は地面へと飛び降りると、尻尾でバランスをとりながら人間のような直立姿勢をとった。この姿勢の背の高さは3.6メートルから4.2メートルほどあったという。

いきなりの出来事であったため、討伐隊の方も怪物の方もパニックに陥り、怪物は競走馬のような速度で走り出した。
怪物は1.6キロほど走り丘の中腹に空いた穴に飛び込んで、2度と姿を表すことがなかった。

怪物に捕まって解放されたエド少年だが、すぐに体調が良くなると予想されていたのだが、しばらく痙攣と恐怖の発作に悩まされたという。

このクロスウィックモンスターの正体は、なんらかの有鱗目(ゆうりんもく)ではないかといわれる。
有鱗目はヘビやトカゲが含まれるグループだ。

直立自体はオオトカゲなどでも見られるほか、二足歩行行動はイグアナやアガマの仲間でみられ、色合いはドクトカゲに似ている。

しかし、トカゲの仲間は獲物などを運搬するときに通常前足を使うことはなく、手でエド少年を捕獲する行動はかなり異様だ。

また、これらの仲間は温かな地域の方が大きくなりやすいが、特別暖かいわけでもなく、餌が多いわけでもないオハイオ州で、現生トカゲの仲間の最大種コモドオオトカゲ(3メートル)より大きく成長するというのは考えにくい。

このように、クロスウィックモンスターは、トカゲに非常に似ているが、さまざまな点で既知のトカゲとは異なった性質を示している。