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ベリト(ベリス、ボフリ、ボルフライ、ベアル) 

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漫画「パタリロ」にも出てくる悪魔ベリト。
もともとはどのような悪魔だったのか?
見ていこう。

◆悪魔ベリトの起源

悪魔ベリトは旧約聖書に出てくるシケム人が崇拝していた女神バアル・ベリトが起源とされている。同じ女神バアル・ベリトを起源とする悪魔バルベリトと同一視されているという説と、別名であるという説とがある。

◆悪魔ベリトとは

悪魔ベリトはベリス、ボフリ、ボルフライ、ベアルとも呼ばれることがある。
ソロモンが封じた72神の1柱であり、序列28番である。
地獄の七大君主の一人としても数えられている。

ゴエティアではベリトは26の軍団を統率する立場にあり、地獄の公爵とされる。
過去、現在、未来に精通し、魔法の指輪を使えば操ることが出来るとされている。

ひどい嘘吐きであるとされるいっぽう、召喚者がきちんと頼み、命令することに成功すれば真摯に答えてくれるとも言われている。
とても澄んだ声で話をするが、その声とは裏腹に二枚舌で信用出来ない悪魔とされている。

あらゆる金属を金に変える力を持っており錬金術師たちの魔神と見なす者もいたと言う。
それ以外に、人に地位や尊厳を与える力も持っていた。
しかし、この錬金術の力や地位、揺らぐことのない尊厳を与える力もベリトが召喚者の力量を認めなければその加護を受けられないとされている。

人間と悪魔との契約の場に証人として必ずあらわれ、その交わされた契約を見守り記録する地獄の記録保管室長のような立場であったとされる。

ベリトが契約を司る悪魔となっているのはもともとシケムの人々が崇めていたバアル・ベリトが契約の神であったからである。「ベリト」は「契約」という意味なのである。

セバスチャン・ミカエリスの悪魔の階級によれば、ベリトは第一階級の悪魔であり、堕天する前は智天使の位であったとされ、聖バルナバの敵対者の位置付けとなっている。
殺人と虐殺、冒涜と拷問を司る悪魔ともされ、人間を殺人と冒涜に誘う悪魔である。

セバスチャン・ミカエリスの有名な9の階級に分けた「悪魔の階級」はこのバルベリトから教えてもらったとされる。
ミカエリスは女子修道院の責任者であり、エクソシストとして有名であった。
17世紀に修道女マドレーヌ・ド・ドマンドルにバルベリトが憑き、悪魔祓いをし、地獄に返したのがこのミカエリスであり、その際に「悪魔の階級」を聞き出したとされている。

この時、マドレーヌと同じく悪魔に憑かれたルイーズに憑いた悪魔(ヴェリン、グレシル、ソンニロン)は「ベルゼバブ、レヴィアタン、バルベリト、アスモデウス、アスタロート、そして其れ以外の6661匹の悪魔が取り憑いている」と言っている。

コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」でベリトは皇帝ベルゼビュートの王族であり、大高官であり、諸同盟の指導者とされている。

◆悪魔ベリトの姿

ベリトは赤い馬に跨がり、赤い衣服、または真紅の鎧を着た兵士の姿で現れるとされている。真っ赤な騎士の姿であるが頭の上には金の王冠をかぶっているという。
顔面には古傷が多くあり、立派なあごヒゲをたくわえているとされる。

コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」に描かれているベリトの姿は確かに馬に跨った騎士の姿である。頭の上にも大きな王冠がありマントをはためかせている。
異様な大きな目と鼻をしているが、もっとも異様なのは2,3頭身くらいの身長である。50代くらいの男性の顔であるが2,3頭身ほどの姿は異様な雰囲気を醸し出している。
この挿絵は白黒でしか見られないが馬もベリトが着ている甲冑も真っ赤であるとすればさらに異様な姿であろう。

「悪魔ベリト」は、強大な力を持っているいっぽう、かなり嘘吐きな悪魔のようである。
「パタリロ」でも嘘吐きな悪魔として出てくるのはその辺りから来ているのであろう。