あまり有名ではない悪魔だが「真・女神転生」のⅠとⅢに登場する悪魔オセ。
どのような悪魔なのか見て行こう。
◆悪魔オセの起源
オセの名前はラテン語で「口」「言葉」を意味する単語から来ているという説と、同じくラテン語で「嫌う者」という単語から来ているという説がある。
しかしもう一方の説で北欧神話のオズが原形という説も存在する。
このオズはオーディンと同一視されているので、オセはキリスト教に取り入れられる際にオーディンが堕落した姿だと考えられる。
このオーディンとは北欧神話の主神であり戦争と死を司る神であり、詩文の神だとされる。
魔術に長けており知識に対し非常に貪欲な神でもある。
知恵と計略に秀でていることからローマ神話のメルクリウスと同一視された。ローマ暦で「メルクリウスの日」にあたる水曜日を「オーディンの日」とし英語の Wednesdayはここから来ている。
悪魔オセは戦士であり、秘密を知る賢者の面を持ち合わせているので、オーディンが由来であれば納得出来るとも言える。
◆悪魔オセ
オセはオズ、オソ、ウォソと呼ばれることもある。
ソロモンの一柱であり、「ゴエティア」によれば3または30の軍団を率いる序列57番の地獄の大総裁となっている。しかし、ヴァイヤーの「悪魔の偽王国』では軍団の記述は無い。
「偽エノク書」にもその名前が記載されている。
オセは勇猛な戦士である一方、神学に長じており、秘密であることを質問すれば真実を答えてくれる能力を持っている。
また人間を変身させる能力も持っており、召喚者の望む姿に変えられると言う。
その一方で、オセに変身させられた者は自分の姿が変わっている事に気付くことが出来ないとも言われている。
周りの視線が変わっている事にも気付かず、以前通りの生活をそのまま送ることになるとも言われている。
また、オセは人に狂気をもたらす力があると言われている。これは召喚者がオセにもたらされる力である。オセの力を受けた者は、自分が王や教皇になったような錯覚を受けると言う。しかしその変化は自分では気付くことが出来ない。
そうなると召喚者は自分が教皇や王などの威厳ある者に変身させられ、そのような者になったように錯覚させられても気付く事が出来ないのである。
このような幻惑された状態で生活をすれば怠惰に溺れた生活を送ることになり、下手をすれば廃人になってしまうであろう。
しかしオセが召喚者を認め、召喚者が望めば任意の対象へ望む印象を相手へ送ることができるとも言われている。
威厳ある印象を相手へ送れば相手を圧倒させられ、慈愛ある印象を送り相手を説き伏せる事も可能になるという。
このオセの召喚はオセに自分を認めさせられるかどうかが鍵と言われている。
「善」「安楽」「潤い」「豊穣」を司っているとも言われ、オセは人の心の幻惑と変身に関する悪魔のようである。
しかし、その一方で、コランド・プランシーの「地獄の辞典」によれば、オセはオズと言う名前で紹介されており「王冠をかぶっているが、その支配は一日に一時間しか続かない」とされている。
◆悪魔オセの姿
オセは召喚されると最初は豹の姿で現れると言われている。その後、人間の姿になるとも言われており、その人間の姿は召喚者の望む姿である、驢馬に乗った人の姿であるなどの説がある。
しかし共通しているのは豹の姿は「権威あふれる豹の姿」「強大で優美な豹の姿」と豹の表現は尊厳あるものとなっている。
また、その目は「緑色の目」「真紅の斑が入った緑の目」と言われている。
このオセもキリスト教に取り込まれる際に悪魔になったようである。
人の心を司る悪魔のようだ。
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