第4回 コロナをぶっ飛ばせ 秋のリレー怪談2021開幕!

第4回「コロナをぶっ飛ばせ!」 2021秋のリレー怪談 スタート!!

◯小説の形式及び登場人物
2021、11月21日現在

  舞台;私立鳳徳学園高校;明治時代に建てられた地方の進学校。元は男子校であったが平成に入り共学制に。
旧校舎には時計塔あり。ロンドン塔によく似ている。 敷地内の一角に英国人墓地と併設して礼拝堂がある。

主人公;秋永九十九(あきなが つくも)。ごく普通の男子。部活は未定。残りの書き手さんに任せます。
ヒロイン;甘瓜美波(あまうり みなみ)、転入生。すらりとした体系のボブカットの美少女。背は高め。周囲に溶け込む気が余りないが敵は少ない。悪夢の中で主人公に会う。父の都合で引っ越してきたことになっているが、実はストーカー被害に悩まされていたことが原因。

甘瓜花波:甘瓜美波の母。鳳徳学園の新米英語教師。

因みに甘瓜家の家系。
雪波→月波→花波→美波。

校長;ロビン・ウィルソン。片言の日本語を話す英国人。顔の怪我を隠す為に半分白い仮面で覆っている。あからさまに怪しすぎてかえって怪しまれない。ニックネームは便器。
マリア・ウィルソン:故人。ロビン・ウィルソンの娘。
大神遊平の元妻であり、大神遊輔の母親。
八島弘:ロビン・ウィルソンの側近。

大神遊人:大神遊輔の祖父。
大神遊平:大神遊輔の父。妻はロビン・ウィルソンの娘、マリア・ウィルソン
オカルト研究部部長・大神遊輔。金色の目を持つ。甘瓜みなみにフラれる。狼一族とヴァンパイ◯一族のハーフ?※超難関キャラw
気水百香:大神家に仕える鳳徳学園の教員。

護摩堂アキラ:鳳徳学園生徒会長。自信が秀才である事に自負を持つ、完璧主義者。 生徒会長の権限として、彼だけが校長との面談を許されている。 八島の存在に疑問を持つ。

沢カレン:鳳徳学園二年。オカルト部の幽霊部員。今どきのギャル風女子。好奇心旺盛。体育は嫌い。放課後はデートと称したパパ活。

ユウタ:沢カレンの中学の同級生

月島聖良(つきしませいら)……進路に悩む鳳徳学園の2年生。甘瓜美波の母、英語教師の甘瓜花波と親交を持つ。魔夜中に取り込まれノイローゼになり入院。その後、学園の旧校舎から身を投げる。生死は不明。
日本生まれの日本育ちで和食党だが、曾祖母が英国人のため瞳は碧眼。曾祖母はロビン・ウィルソンの父の、姉にあたる人物。

麻希子……聖良のことを「セーラ」と呼ぶ友人。普段はいい加減だが、友だち思い。聖良にトドメを刺す。

時系列は以下の通り。
・約20年前。2001年頃。甘瓜花波とマリア・ウィルソン、鳳徳学園に在籍。教師になる夢を語り合う。
・鳳徳学園卒業後、ふたりとも学生結婚をし、大学を中退。花波は美波を、マリアは大神遊輔を出産。マリア死去。
・約10年前。2011年(美波、遊輔は小学生)。英語教師として赴任してきた花波と、月島聖良が出会う。
ふたりとも魔夜中に取り込まれ、花波の魂は八島の手中に落ちる。聖良はノイローゼになり、文化祭の前後に旧校舎から身を投げる。
・現在。2021年。魔夜中の中で、聖良と護摩堂アキラが出会う。

魔夜中;悪夢の中を指して甘瓜美波がつけた呼称。

魔夜中に持ち込めるもの;ない。だが鬼火の怪人(ジャック・オランタン)を倒せるものは夢の中にも存在する。英国人墓地、といえば○○が埋まっているはず。ただこの〇〇を使うかは残りの走者次第。

◯リレー順および〆切り(※順不同・敬称略)

第一走者:ゴルゴム13(掲示板〆:10/9 23:59/「怖話」投稿予定:10/10)
第二走者:五味果頭真 (掲示板〆:10/16 23:59/「怖話」
投稿予定:10/17)
第三走者:ロビンⓂ︎ (掲示板〆:10/23 23:59/「怖話」投稿予定:10/24)
第四走者:rano_2 (掲示板〆:10/30 23:59/「怖話」投稿予定:10/31)
第五走者:あんみつ姫(掲示板〆:11/6 23:59/「怖話」投稿予定:11/7)
第六走者:一日一日一ヨ羊羽子(掲示板〆:11/13 23:59/「怖話」投稿予定:11/14)
第七走者:綿貫一(掲示板〆:11/20 23:59/「怖話」投稿予定:11/21)
第八走者:珍味(掲示板〆:11/27 23:59/「怖話」投稿予定:11/28)
第九走者:車猫次郎(掲示板〆:12/4 23:59/「怖話」投稿予定:12/5)
第十走者:ゲル(掲示板〆:12/11 23:59/「怖話」投稿予定:12/12)
○ 控え走者 (およびリレー順希望)
・ふたば

□物語の形式
①「前半オムニバス+後半なぞとき」
メインキャラ5人(前後)分の導入となるオムニバスを4~5話続けて
残り7~8話+エンディングで、たっぷりと謎解き(および恐怖体験)。

②「途中オムニバス」
主人公視点で物語が進んでいく途中途中に、主人公以外の視点で語られる話がある、という形式。

⇒(意見)まあこれについては、いざ始まってみたら自然に決まるかもしれませんね。。

□最終話について
①合議制で内容を決め、代表者1名が執筆を行う。

②マルチエンディング →その場合、複数の希望者がそれぞれ結末を用意する。

⇒①をトゥルーエンド、②はアナザーエンド(ifのエピソード)とするなら、両立するかもしれませんね。

□タイトル 候補

タイトル候補;魔夜中の殺人鬼、魔夜中の狩人、鬼火の狩人、鬼火舞う学園、鬼火の牢獄、鬼火舞う牢獄、旧校舎に鬼火舞う刻、魅惑の旧校舎~紅蓮の狩人。

・放課後の獄舎 ~転校生と鬼火の狩人~
・ミッドナイト・パーティー
・神無き月の狩人
・Faceless sneaker(顔のない 忍び寄るもの)

○現在までのダイジェスト(綿貫様まとめ)
2021.10.16 現在。

■第一話(秋永九十九)
□シーン1 悪夢の中
九十九が、どことも知れない建物の中を歩いている。
建物の1階で、頭部が縦長のカボチャのような、背の高い、謎の人物に遭遇する。
男の手には紅蓮の炎をまとう、大ぶりの鎌が。
男の背後には制服姿の少女の死体があった。
ガツンという衝突音とともに、悲鳴が響く。男の背後にもうひとり誰かがいることに気付く。

□シーン2 学校/教室の外
九月下旬。十月末に行われる文化祭に向けて、学校中が盛り上がりつつある。
転校生の甘瓜美波が、九十九に話しかけてくる。
美波は親の都合で九月に転入してきたばかりだが、その美貌とふるまいから、当初は注目を集めていた。
しかし、オカルト研究部部長・大神遊輔のラブレターを破り捨てた事件で、「甘瓜さんは甘くない」と噂が立ち、今では男女ともに彼女から距離をとっていた。
そんな孤高の美少女に話しかけられドギマギする九十九であったが、「昨日、夢を見なかった?」という美波の言葉に戸惑う。
美波は九十九をある場所へと誘う。

□シーン3 旧校舎
美波は「あなたの見た夢の場所は、この旧校舎である」と告げる。
たしかに窓の外に見える時計塔に覚えがあった。
「校内に礼拝堂と英国人墓地があるのを知ってる?」
「私は昨日、殺されかけた」
次々と謎の言葉を紡ぐ美波。
聞けば、紅蓮の鎌を持った化け物―ジャック・オー・ランタン―に、廊下の突き当りで殺されかけたのだという。
それがただの夢でない証拠にと、美波は首の付け根に現れたミミズバレを見せる。
夢の中で彼女よりも先に女生徒が殺されたが、美波の調べによると十年前に死んだ生徒であるとのこと。
「あなたも私の夢の中にいたのよ」
ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン、
鳴らずの時計塔が突如鳴り出す。

■第二話(大神遊輔)
□シーン4 自室
オカルト研究部部長・大神遊輔は、先日、甘瓜美波にラブレターを出したものの、ビリビリに破かれ玉砕。そのことを校内の裏サイトにもさらされ、ショックから不登校になっていた。
悪夢を見て飛び起きる遊輔。手元の時計はPM4:44を示している。
夢の内容を振り返り、気になることが出てきた遊輔は、それを確かめるため学校に行くことにする。

□シーン5 祖父の部屋
出がけに祖父に呼ばれ、父とともに祖父の部屋に。
不登校を責められるかと思いきや、
「そろそろ文化祭だ。文化祭といえばなんだ?」と謎の問いをされる。
祖父も父も遊輔の通う高校のOBだが、私立鳳徳学園は元々は男子校で、また時代柄男女交際のチャンスなど文化祭以外になかった、と告げられる。「恋愛については奥手な家系だ」とも。
大神家には遊輔の物心がついた頃から、すでに祖母・母親の姿がなかった。

□シーン6 旧校舎①
遊輔は、美波に惹かれた原因のひとつは「甘い香り」であると考えていた。
学校に到着すると、悪夢に見たであろう旧校舎へと向かう。
現場に着いて、場所の確信を持つ遊輔。
彼は悪夢の中で、美波が何者かに襲われるのを見ていた。

□シーン7 旧校舎②
遊輔は旧校舎で美波と九十九の姿を目撃し、逢引きであると思い込む。
九十九に首筋を見せる美波に、嫉妬から正気を失う遊輔。
思わず走り出し、旧校舎の裏側、英国人墓地へと足を踏み入れる。
遊輔は旧校舎に、美波とは別の魅惑的な香りが漂っていたことに気が付く。
墓地には、誰かが掘り返したような跡があった。
墓穴の中にはあるべき棺桶の存在はなくなっていた。
頭上の空を大きな鳥のような影が横切る。
空に浮かぶ真っ赤な満月を見て、自分の身体が大きくなり、全身を毛が覆いつくす感覚を得る遊輔。
その時、突然鳴らずの時計塔が鐘を鳴らし始め、それにあわせ、遊輔は吠えた。

ん~、以前よもつ先生に字数について教えていただきましたが、忘れてしまいました(泣)

ちなみに下にある「続続 『般若の子守唄』」で、字数として1039字、時間は2分でカウントされています。

もう少し長くてもいいですが、イメージ的には1人1200字程度でしょうかね?

返信

いっそ一つの事件を複数サイドでオムニバスにするという手もあります。グループや時代を変えるとかでなんとかなりませんかね。

返信

ぶっちゃけクライマックスはいろいろ回収したり、盛り上げたりするんで、どうやったって長くなります(断言)
前中後編でそれぞれ15分、全編45分、といったところが目指す長さぐらいですかね?
(完全に自分の意見ですよ)

返信

そこなんですよね~。
最終的に話として編集して投稿すると、
前後偏として20分ずつぐらいがMAXでしょうかね?
(読み手サイドとして)
ざっと見ると、アワードの最長が37分です。これ以上は読むのが大変。

そうなると、1人1話投稿で、1話3分程度の長さが理想でしょうか?

ちょっと連載で書くには短いかな~。どうかな~。

返信

修行者様、すみません。
しかしすでにこんなに・・・
一体何話構成になるんでしょうか。

返信

あ、こげ様もお返事まちでーす

返信

ではでは現状の執筆陣!(間違ってたらご指摘願いま~す♪)

執筆確定者(順適当)
・ロビン様
・よもつひらさか様
・フレール様
・ルピナス様
・修行者
・月舟様
・ゴルゴム様
・綿貫一様
・ふたば様
執筆ほぼ確定(当社比)
・にゃにゃみ様
じらしプレイ中
・ラグト様
お返事待ち
・Glue様
・いさ様
・珍味様
・colo様
・おでん屋様
お声がけしようかなー。どうしようかなー。怒られるかなー。断られるかなー枠
・ろっこめ様
・コオリノ様
・mami様
スーパーバドガール
・怪談師様

こんな感じですかね。
ラグト様は大丈夫でしょうから、ついに二桁突破は間違いないですか。

わくわく。

返信

今外出先にいるので後で整理したいと思いますが、
・参加希望者(ほぼ確定?)
・ご返事待ち
・これから呼びかける予定の方
・推薦枠
という分け方でいいですかね?
何かご意見があればお願いします。

返信

現時点で何人参加希望者がおられるのかということと、最終的に何人で行うかということを再確認する必要がありますね。
それと我々がある程度知っていて信頼できる人を推薦枠でというのも、ご本人の意志と信頼の基準は何なのかという問題を持っています。
まずは現状を把握した上で人数から決めるのが先ですかね。

返信

私はオッケーですよー。
我々の知ってる方なら問題ナッシングです。

返信

一つ提案です。我々だけで執筆陣を選んで参加を呼びかけるのも少し気が咎めるんですよ。なので読み専の方からの推薦枠を一人から三人くらいで用意するのはどうでしょう?
今更でしょうか。

返信

ぬふふ、この感覚。リレーの感覚。たははー

返信

「零~紅い蝶~」いいな~。

伊集院光が、あまりの怖さにう〇こ漏らして座高が高くなったという伝説のゲームですね。

実況プレイを見ても、無駄に露出度の高いオバケや主人公の動画が多くて、怖がるどころじゃないです(笑)

返信

や、やばい!!面白くなってきた!…ひ…

返信

続続 『般若の子守唄』

Kara・・・・・・Koro・・・・・・

カウベルの音も涼やかなバーはしかし、まるで地底洞窟か、怪鳥の巣の中のように薄暗い。

3人はカウンターに陣取り、小さく乾杯をすると、久方に近況を語り合った。

しかし、どこか奥歯にものが挟まったような印象はぬぐい難い。

そう、3人が3人とも、あの夜の事を思い出しているのだ。

3人が・・・・・・俺たちが16歳の夏の一夜。

あの愛くるしい笑顔、どうして・・・・・・どうしてあの娘があんな目に合わなくちゃいけなかったんだ。

重苦しい空気を見て取ったかのように、般若の面をつけたマスターが、キッス・イン・ザ・ダークが注がれたグラスをカウンターの上を3人の前に滑らせた。

度の強いアルコールに勢いを得たように、3人はあの日の夜の事を話し出した。

2度と思い出すまい、もう2度と口にすまいと心に決めた、あの忌まわしい日の出来事を・・・・・・。

「・・・・・・行こう」

カクテルを喉の奥に流し込んだ弘也が、決意を目に重々しい口を開いた。

かつて多くの子供たちを魅了したその声はしかし、今は悲愴とも自棄ともいえる思いを乗せ、調子っぱずれの酔人のように裏返っている。。

「般若の森に、俺たちの過去を取り戻しに、もう一度、あの場所へ」

「・・・・・・行くなら付き合うぜ。

でも今度は、容赦しねえぜえ?」

裕二が彫り物に使う長い針をつまようじ代わりに口にくわえながら、上着の袖に腕を通した。

「二人とも、勝手なんだから、もう、さおだけ~」

陽気に言いながらも、並々ならぬ眼光を光らせて、蓮が立ち上がる。

そう、行くのだ。あの日の夜を取り戻しに、闇の森の奥へ。般若の子守歌の待つ廃屋へ・・・・・・。

「待った」

黙して語らなかったマスターが、ふいにその口を開いた。

般若の面に隠されているとはいえ、この場に似つかわしくない、まるで少年のような涼やかな声が響き渡る。

「勝手だけど、話は聞かせてもらったよ。熱い決意は結構だけどね、あんたたち、今のままあの森に行ったら・・・・・・」

3人は思わず目を剥いた。たった今目の前にいたマスターの姿が掻き消えたのだ。

見失うはずなどあるわけがない。

「死ぬよ」

ふいに背後から声が聞こえた。少年のように涼やかな、悪魔のように蠱惑的な声が。

「黒いね」

まるで闇が囲うかのように人影が照明の光を遮った。気温が急激に下がるような錯覚を覚える。

「あんたたちは、黒い」

振り返った3人の前には、思いもよらない光景が待ち構えていた。

返信

僕のところにも霊障が起きています。中古のPS2で「零~紅い蝶~」をプレイしてたら画面が灰色になったり音が聞こえなくなったりします。やばいです。コードをいじくると改善しますがすぐにおかしくなります。今度の霊はしつこいみたいです。皆さん、気を付けてください。!!

返信

月舟様、正式参加表明ありがとうございます!踏み込んじゃいましたね。こっちに(笑)

一緒に盛り上がりましょう!

返信

皆様、ふたば様が参加の御意思を表明してくださいましたよ!

ただ、気を付けてください。霊障が起きています。私が夢の中で確かに送ったメッセージが全く届いておりませんでした!

今後も何が起きるか、全く予断を許しません。皆様、是非お気を付けください。

また、にゃにゃみ様からもかなり前向きなメッセいただきましたよ~。

なので当然本チャンではエロ展開はナシです!誰ですか?エロ怪談とかいっている人は?
慎重に行こうといっているというのに、不謹慎な!

返信

あ、綿貫様。
挨拶もそこそこの不躾なメッセージを送ってしまい青ざめているゴルゴムです。
まだ何も決まっていない・・・はずなんですが、ロビン先生、修行者様、何始めちゃってるんすか~!?

返信

続 『般若の子守唄』

その後、なんやかんやあった一行も無事に高校を卒業し、一人は大学進学、一人は歌のお兄さん、一人は北関東で有名な彫り師に弟子入りした。

その後もまたなんやかんやあって、彼らが四十歳を迎えるその年に、高校の同窓会を告げるお誘いメールが届いた。

だが、三人がそれに気づく事はなかったのである。

というのも、一人目の川来田 蓮はサークル内でのイジメが耐えきれずに精神を病んでしまい、大学を中退した後、家族にさえも行き先を告げず家を出てしまう。

川来田は日雇いの仕事を転々としながら、飯場で般若の入れ墨を背負ったスキンヘッドのガチムチ系のおっさん、町田と出会ってしまった。

町田に調教された川来田は、三十二歳の時に彼の指図のもとゲイバー「オカマです❤︎」を開店。ポン太と名乗る。身体中を改造し尽くした川来田を判別出来る人間はもう町田しかいない。

ポン太の口癖は「さおだけ〜」である。

二人目の重谷 弘也は、彼が一八歳の時に親が内緒で応募した「36代目歌のお兄さん」に一次審査で通り、なんやかんやあってトントン拍子に芸能界を渡り歩いた結果、一躍茶の間の人気者となる。

しかし、三十二歳の時に事務所バックアップで組んだバンド「下衆のバラライカ」が大失敗。曲もダサいが、一番の失敗はMステの生放送中に質問に答えない司会者にブチ切れした重谷が司会者のサングラスを踏み潰した事が原因とされている。

芸能界を干された重谷は、売れないハーフタレントを連れて国外へ行き、地元のマフィア連中と連んで怪しいジュエリーを売り付ける商売をしているという。

そして三人目の木暮 裕二。彼は元々手先が器用だった事もあってか二十五歳の時には師匠を追い抜き、更には北関東をも飛び出し世界的に有名な彫り師にのし上がっていた。

Mr.コグレと呼ばれる男は三十二歳の時、今年最も世界に影響を与えた人物トップ10に贈られる快挙をも手にし、連日連夜雑誌取材やテレビ、ラジオ出演などに追われる忙しい日々を送っていた。

さて、「三十二歳」というこの奇妙な共通点。

これは一見ただの偶然にも見えるが、どうやらそうでもないようだ。

例えば、三人のパートナーの名前は全て「ナオミ」。飼い犬は甲斐犬。おすわりは出来るがマテ!が出来ない。

子供は女の子が二人、チンポジ左、冬でも短パン、好物はハンバーグ、蕎麦アレルギー、冬が好き、好きなアーティストはエレカシ。

十代でバラバラになってしまった三人にこれだけの共通点があるという事は、最早、偶然とは思えないのである。

ねーんねーん、ころーりーよー♪

おこーろーりーよー♪

ある冬の夜、これまた偶然その街に訪れていた三人が聞いたこの唄声。

「懐かしい…」

唄声のする方を見やると、そこには古くさい一件のBARがあった。

朽ち果てる寸前のボロボロの看板には、般若の二文字が。

彼等はその唄声に吸い寄せられるように、その店のドアを開くのだった。

続く

返信