秋田県男鹿市脇本田谷沢
旧国道101号(現在は県道59号)にある峠道。特に火葬場跡と葬儀場跡付近で心霊体験など様々な曰くがある。
秋田県男鹿市の心霊スポットと言って一番に思い浮かべるのは男鹿プリンスホテルだろうが、同じ男鹿市に存在する茶臼峠を忘れてはならない。かつては国道101号線として、脇本?船川間のアクセスとして使われていたが、2010年に現101号線が開通、茶臼峠は県道59号線と名を変え現在に至る。ほとんどのドライバーはより快適に運転できる現101号線を選ぶだろうが、オカルトファンであれば県道59号線、いわゆる茶臼峠を選ぶことになるであろう。
峠という名の通り、うねうねと続く道は鬱蒼とした林に挟まれ、普段はそこまで交通量も多くないことから昼間でも薄気味悪さを醸し出している。春には桜が咲き、駅伝大会のコースにもなっているこのほんの2kmしかない茶臼峠を一大心霊スポットにさせた要因は、峠の中にある元葬儀屋と火葬場跡地にあると言われている。この火葬場で葬られた霊魂たちがドライバーたちを待ち受けているとされていて、霧がかっていることも少なくなく、峠自体も運転の難所ではあるが、ここで起こる心霊現象も高い事故率の原因の一部であることは否めない。
よく知られたものとしては、ザンバラ髪の女性の霊がある。カーブミラーに映ったり、ドライバーを追いかけたりするとのことだ。追いかけられたドライバーや同乗者全員が後に交通事故を起こし、車やバイクを廃車せざるを得なくなったとの例もある。首のないライダーも有名で、事実近辺で地元高校生が無残なバイク事故死を遂げているのだが、峠をバイクで走っていると、なぜかタイヤの内側が引っ張られる感覚に陥って転びそうになるとのことである。またヒッチハイクを求める白い服の女性、深夜なのになぜか道端に佇んでいる白装束を着た老婆など、遭遇する霊はバラエティに富んでいる。地元のタクシー運転手の間では、茶臼峠を通行中は決して客を拾ってはいけないとさえ言われている。
過去茶臼峠にあった火葬場は現在は空き地になっているが、やはりこの付近での心霊体験が特に多いようだ。空き地から不可解な煙や人の悲鳴らしき声。これはまだ火葬場があった頃の話だが、初めて峠を越えた時、峠の頂上にて祭りを楽しむ子供たちを見たが、後日再度訪れてみるとそこは実は火葬場だった。実は前の年に不幸な事故で多くの子供たちが亡くなり、ここで荼毘に付されたなどど言ったエピソードがある。
また、この峠を一躍有名な心霊スポットに押し上げた「幽霊注意」の看板の噂だが、実際にあったかどうかは定かでない。数十年前、まだ火葬場が稼働していたころ、現在石碑が置いてある辺りに確かに存在したという話もあるし、看板のデザインも顔に×マークだの手に×マークだの情報が錯綜しているが、少なくともこれを書いている2014年現在そういった看板は存在しないことが分かっている。実際の看板の写真が未だに発見されていないので憶測でしか語られることはないのだが、こういったことも茶臼峠の心霊スポットとしての付加価値を高めることには間違いない。
茶臼峠は霧がかっていることも少なくない。「峠」「霧」はより慎重な運転を強いられるのに十分な要素ではあるが、それに「心霊スポット」が加わると、ますます緊張して、意識せずとも自分の中で心霊現象を作り上げてしまう可能性はあるとされている。だが過去実在した火葬場や、峠での痛ましい事故を無視するわけにはいかない。お祓いも行われたようで、以前より心霊現象の遭遇率はかなり減ったとのことだが、長年心霊スポットとして培われたものはそう簡単には消えないし、今でもなおオカルトファンを魅了し続けていると言えよう。
コメントをするには会員登録が必要です