愛知県犬山市喜六屋敷118
深夜に入鹿池に行くと、どこからともなくトランペットの音が聞こえてくる。
聞こえてくる方を見ると池の水面に少年がトランペットを吹いて立っているという。
また、深夜に車で走っていると老人が後から走って来たり突然老婆が飛び出してくるらしい。
過去には女子高生が受験を苦にして入水自殺しているらしく、その幽霊も出るという。
男性が入水自殺したりボートが転覆して死亡しているらしい。
もう,10年以上前に地方のラジオ番組で夏の話題として聞いたり,ミニコミ誌のたぐいの雑誌に載っていたりしたことを思い出しながら書きます。
愛知県の犬山市には入鹿池という周囲約16 kmの人工の池があります。池の西側には有名な博物館明治村があり,それが池のほとりまで達しているので怖くはないのですが,池の南側や東側はそして北側は余り大きな集落がなく,夜になるとちょっと寂しくなります。もちろん,近くにはキャンプ場や中央道の小牧東インターがありますし,池の南のほとりにはホテルやボート乗り場なんかもぽつぽつありますので、全く人気が無くなるわけではありませんが…。池の南は県道16号線が東西に,池の東には県道49号線が南北に走っていて,北へ進むと尾張パークウェイにつながり犬山市内へ出ることができます。
さて,その入鹿池は明治元年に大雨で決壊して周囲の家を飲み込む大水害を起こしました。その大雨が降る前に、池の西方(現代でいうと明治村の西)に尾張富士という山があるのですが,その山頂から「やろか,やろか…」と叫ぶ男の声が聞こえ,それに対して「いこさば,いこせ」と叫び返したところ,翌日から大雨になった(これを「やろか雨」というそうです)という伝説があります。
そのこととは関係はないと思われますが,深夜になると,ときどき道路に怪しげな老人が現れるという噂がたちました。それは自動車で県道16号線か49号線を走っているときのことですが,気がつくと隣を老爺が車と同じ速度で走っているというもので,こちらが気がつくとにやっと笑って追い抜いていくという噂です。誰かが「ターボじじい」と言っていました。同様に,怪しげな老婆が四つん這いになってカエルのように飛び跳ねながら車の後ろを追っかけてくる,「ぴょんぴょん婆(ばばあ)」が出るという噂も聞きました。これらは聞きようによっては笑えてくる気もしますが。
さらに,もう一つ入鹿池には噂があります。それは,入鹿池の北側にある神社の噂です。
池の北にある神社といえば地図で見ると諏訪明神社しかみつからないのですが,そこはうっそうとした森の中にある神社だそうで,深夜に出かけますと,天狗のお面が奉納されている祠(ほこら)があって,その天狗の目の色が赤だったか青だったか忘れましたが,とにかく色が変わるそうなのです。それを見てしまうと,道に迷って神社から抜け出られなくなってしまうという話を聞きました。これについては私の友人も,「あそこの神社はガチで怖いらしい。」と言っていましたので,広く知られている話だろうと思いました。
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