千葉県千葉市花見川区三角町

小和清水の惨殺屋敷

千葉のホワイトハウスとも呼ばれている小和清水の惨殺屋敷は、一家心中が起こったとの噂のある心霊スポットである。その一家がどういったいきさつで、心中にいたったのかよくわからないのだが、家族の内の幼い少女が頻繁に目撃されているらしい。

1.千葉で最怖スポットと呼ばれる「小和清水の惨殺屋敷」

千葉でもっとも怖い場所はどこかと訊かれて挙げられるのが「小和清水の惨殺屋敷」。
場所は千葉県千葉市花見川区の千葉北IC近くにある廃屋で、「ホワイトハウス」とも呼ばれている。名の通り、この屋敷は白い外壁で囲まれており、広い土地に相当の大きさの2階建て住居を作っているあたり、富裕層向けの住宅だったとみられる。
屋敷と呼ばれるにふさわしいのは、その外壁だけではなく、2階バルコニーから屋上につながった外階段の存在だ。今では確認することはできないほど荒廃しているが、階段のつくりからして屋上にプールかテラスでもあったと想像される。
むき出しになった外壁や内装からみて、鉄筋コンクリートの2階建てであることがわかる。

2.噂の怪奇現象の真相

「小和清水の惨殺屋敷」では、一家心中で殺された幼女の霊が出る……。
心霊スポットとしてあまりにも有名な場所では一家心中が原因になることが多いが、この屋敷にはそのような事実はない。
近隣住民の話や、この地域をよく知っている人の話をまとめてみると、この屋敷には造園業を営んでいた男性が住んでいたが、経営状態がおもわしくなく夜逃げ同然に出ていったらしい。
事実としてはここまでで、その後は空き家にホームレスが住みつき、地域の素行が悪い少年少女のたまり場になっていった。実際に、この屋敷からは焚火の不始末からくる出火で屋敷が火事になっている。
一家心中の話の元になった事件などもなく、一家心中の原因や死因が一切わかっていないことから、夜逃げで屋敷が捨てられた状況と一家心中で家人がいなくなった状況が似ており、ストーリーがつくられたとみる方が正しいだろう。
元の家主だった造園業の家族には幼女がいたという話はなく、当時高校生くらいだった女性ならいた、という話がある。

3.現在の「小和清水の惨殺屋敷」

「小和清水の惨殺屋敷」は有名な廃墟スポットということもあり、インターネット上には廃墟探訪の写真が無数にアップされている。また、動画での撮影も多数あるが、ここは廃墟ではなく管理物件であり、資材の置き場所になっているようだ。幼女の幽霊に出会えると探検しにいったが、幽霊を見るどころか工事関係者の出入りの様子が伺える状態で落胆して帰ってくる人も多い。
ただし、住居として再建築されたり内装や配管が整備されたりしている様子はなく、現在も配管がむき出しになっているが、外壁は最低限の修繕がされている。
千葉市では、平成25年4月1日から「千葉市空き地に係る雑草の除去に関する条例」をしており、地域の空き家対策に乗り出している。深刻な空き家問題の解消を目指し、「小和清水の惨殺屋敷」も管理物件となったとみるのが正しいかもしれない。
折しも、この条例が施行されてからの「小和清水の惨殺屋敷」は心霊スポット・廃墟スポットとしての報告は乏しくなっている。

4.「ホワイトハウス」に一家惨殺はつきもの?
余談になるが、「小和清水の惨殺屋敷」はその外壁から「ホワイトハウス」とも呼ばれていた。同様に、日本全国には「ホワイトハウス」と呼ばれる心霊スポットがある。
新潟県新潟市西蒲区にある「ホワイトハウス」は精神を病んだ娘のために引っ越した一家だったが、その娘が家族を惨殺して逃亡、その後は廃墟になった屋敷に少女の霊が出るという。
また、茨城県ひたちなか市にも同様の「ホワイトハウス」が存在している。
「ランドセルを背負った少女の幽霊が2階の窓付近に出没する」という噂で、こちらの家も一家惨殺の話がある。
日本の心霊スポットの中でも三大ホワイトハウスと呼ばれるこれらの屋敷だが、一家心中や一家惨殺という部分では共通している。白い家は幸せな家族の悲劇を想像させる象徴といえるのかもしれない。