北海道千歳市支笏湖温泉10
4万年ほど前に形成された支笏カルデラに水が溜まったカルデラ湖。
支笏湖の由来は「死骨湖」であるとされる説があるが、アイヌ語の「シ・コッ」(大きな窪地)が語源であることから来ていると言われている。この読み方が日本語で「死骨」に通じることから縁起が悪いとし、1805年(文化2年)に現在の地名に改名されていたり、都市伝説になってしまう側面もうなずけるある。
また、自殺の名所とも知られていて、深い水深と湖底にある枯れ木や藻に引っかかって遺体が上がってくることがないとも言われている。
「日本最北の不凍湖」であるが、これは温かい水が湖の深部に残存していて水面を暖めるため、湖面の水温が下がりにくいので凍りにくくなっているためである。また支笏湖は、透明度の高さで有名な摩周湖やバイカル湖に匹敵する透明度を有している。環境省の湖沼水質調査では何度も日本一に認定されている
そんな美しい支笏湖には、その透明度とは相反した仄暗い噂が数多く流れている。
まずはその名前だが、支笏湖は湖底に非常に藻が多いため、昔支笏湖に身投げした人たちの死体は藻にからまって浮いてくることがなかった。この事から、後から入ってきた和人が『死骨湖』と呼んでいたのだが、後に縁起が悪いとされ今の支笏湖となったという。
また、有名な話では雑誌で取り上げられた事により有名になった「ターボババァ」が現れると言われる。
ターボババァは、支笏湖周辺の峠道を現れるという老婆で、車とまったく同じ速度で走ってくるという。車と並走するだけで特に危害はないが、その老婆に目をとられてうっかり事故を起こすドライバーもいる。
同様の種類の噂では、「片目のセリカ」というものがあり、ヘッドランプが片方切れているトヨタ・セリカが車の後方にくっついて離れず、相手が事故を起こすまで追走し続けるというものだ。
さらに、肝心の支笏湖自体に関する噂だが、.もっとも有名なのは「無数の手が映り込む心霊写真」だろう。
この支笏湖でここで写真をとると、水面から数えきれないほどの手が写っており、それを見たものは湖の中に引きずり込まれてしまうと言われている。
そして、支笏湖恵庭岳の麓にあるポロピナイキャンプ場からのびる一本道の途中に、廃墟と化した旧支笏湖プリンスホテルが存在する。
この元ホテルは数十年前から廃墟のままで、建設時の事故で亡くなった人が幽霊となって現れるという噂や、経営難から主人夫妻の首吊り自殺という噂もある。しかし、最近になり謎の火災が発生し、廃墟自体が消失してしまったとされる。
こうした噂が絶えず、著名な心霊スポットとなった支笏湖だが、その背景にはアイヌの伝説が存在する。
伝かつてこの湖を作り上げた神は、自らが作った湖の深さを確かめようと入ってみたところがあまりにも深く、海に入ったときにすら 濡らしたことがない股間のものを濡らしてしまった。
それで神様はひどく腹を立て、湖に放した魚を全て海に放り投げたのだが、
一匹のアメマスだけは取り逃がしてしまった。(実際に支笏湖にはアメマス以外の 魚は棲んでいない。現在の支笏湖名物であるヒメマスは明治以降に放流されている)
ところで、神が海に投げ込んだ魚はアシペプヨという怪物に成長した。
投げ込まれる際に神様に親指で頭を潰されたせいで、鼻の上が桶のような口になって しまい、その口で船底をガリガリと囓り、いくつもの船を沈めいた。
そこで日高沿岸のコタンでは出漁の際に舟に漬け物石くらいの石を積んで置き、 アシペプヨが襲ってくるとその口に石を放り込んで追い払っていた。
その後、その怪物は巨大な入道となり、コタン(現在の北海道古丹)を襲ったといわれている。
また、支笏湖周辺には「シュトクンネ」という地名があります。
シュトクンネとは「棍棒が黒い」と言う意味ですが、これにまつわるは凄惨なものだ。
昔、太平洋岸の勇払のアイヌが千歳に攻め込みました。千歳アイヌはこの辺りの 山に逃げ込んで隠れていたのだが、ある娘が水汲みに川に降ったところを
発見されてしまった。勇払アイヌは娘も村人も棍棒で一人残らず殴って 殴って打ち殺し、全員を殺して回ったという。その時棍棒の先が村人の血を吸って真っ黒くなり、この惨劇を忘れないために「シュトクンネ」という地名が出来たといわれる。
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