秋田県男鹿市北浦湯本草木原58−8

男鹿プリンスホテル

4階の温泉跡には異様な数の不浄霊が彷徨う。人がいなくとも賑やかな空気を感じられるという報告例が多数挙げられている。

秋田県民ならずとも、あまりにも有名な心霊スポットのひとつであろう男鹿プリンスホテル。1969年に開業したものの経営不振のため1981年に廃業。以来建物は荒れ果てた廃虚となってしまった。
男鹿温泉郷の中にあり、現在も営業中のとある旅館の裏手にある崖の上に位置する。実際に建物へのアクセスには温泉郷のメイン通りから一本はずれた道沿いから入るのだが、車一台がやっと通れそうなくらいの細い道で、まわりは鬱蒼とした林が広がっている。本来の入り口はベニヤ板で封鎖されており、立入禁止となっている。だが林の中を通れば入り口に到達するのは容易であり、肝試しで訪れる人が後を絶たない。近隣に民家もあり、周辺住民はかなり迷惑しているとのことで、騒ぎ過ぎると警察に通報されるかもしれないので注意が必要だ。
取り壊しも幾度となく計画されたようであるが、未だ実現に至っていない。建物の所有者がどうしても見つからないのが表向きの理由だが、一応登記上は東京都にある某会社の所有とされている。ところがこの会社がどうやら実態のない幽霊会社のようで、オカルトファンにとっては体のいい冗談でしかない。行政側も無理して所有者を探すメリットがないと考えているのか、今後も取り壊される可能性は低いであろう。
ホテルは元々墓地だったところを壊してその跡地に建てられた、また日本海中部地震の犠牲者の遺体が安置されたとの噂もこの地のオカルト色を強めているが、創業前からの地元民は墓地説を否定。日本海中部地震も廃業後の1983年に発生したのでこれはただの噂に過ぎないことがはっきりしている。
建物に入ると女性の霊が出迎えてくれたり、車で行った場合は帰りに事故に遭う可能性が非常に高いという。他にも探索の際に持参したテープレコーダーに覚えのない声が録音されていたり、撮影した写真全てにオーブが写っていたり(虫や光の可能性もあるが)、帰りの車中、フロントガラスに無数の手形がついていたなど当然ながら不可解な現象も多数報告されている。
実際、ここで亡くなった人も何人かいるようである。まだホテルが営業していた当時、泥酔した客が風呂で溺れて亡くなったのをきっかけに経営が傾き始め、それを苦にした経営者が自殺。廃業後、廃虚と化した建物内で女性が焼身自殺したのもそこまで昔の話ではないと聞く。他にも一家心中があったとの噂もある。焼身自殺は3階、風呂での溺死は地下で起こったようで、これらのエリアは特に危険とされている。肝試しで2階まで行ったものの、そこから上へ行くのはなぜかためらったという者が多いことからお分かり頂けるだろう。特に3階の窓から手を振る女性の霊は現地まで行った者の間ではよく知られている話である。地下が危険と言われている理由は風呂の他にもう一つ存在する。赤い椅子がぽつんと置かれているらしく、それに決して座ってはいけないとのこと。座ってしまったために後々自らの命を落としてしまった人もいるとかいないとか。
某有名霊能者も恐れをなして立ち入ることができなかったという男鹿プリンスホテル。約200体もの霊がさまよっていると言われている。大方の意見として、霊は賑やかな場所、しかも霊的現象を求めている人たちのところへ集まると言われている。現地まで探索に行った者の中には賑やかな雰囲気がしたと言う感想があったのも事実だし、これだけたくさんの人が訪れるのだから、むしろ霊のほうが誘われてやって来るのかもしれない。