茨城県笠間市笠間 笠間城跡

佐白山 (笠間城跡)

佐白(さしろ)山(笠間城跡)とは、茨城県笠間市笠間にある山である。

笠間盆地の中央にそびえるこの山は、自然の植物園とも言われているほど緑豊かだ。標高182mのこの山を登る全長4kmのハイキングコースでは、毎年11月上旬から11月下旬までモミジやイチョウが色付き、訪れた人々の目を楽しませてくれる。
さらに、頂上には日本の名城の1つとして数えられていた笠間城跡がある。

笠間城は、天文年間(1532〜1555)に宇都宮頼綱が甥の持朝(笠間氏)に命じて、築城された城であある
宇都宮一門として戦国時代まで勢力を誇った。その後、多くの城主の交代を経て明治時代に至った経緯があるため、この城を巡る戦いが幾度も繰り広げられている。

茨城県内でも有数の心霊スポットとして知られており、テレビ、ザッシなどでも取り上げられる機会が多い。

この山で最も有名な噂は、やはり井戸の噂だろう。
この佐白山には、3〜5つの井戸があり、すべての井戸を見つけると死ぬと言われているのだ。さらに、これらの井戸の中を覗くと「神隠し」にあうと言われている。井戸の中にひきずりこまれ、そのままどこか別の『世界』に連れていかれるのかはわからない。

また、山頂に向かう道の途中に、「笠間トンネル」と呼ばれる短いトンネルがあるの
そのトンネルは通称『お化けトンネル』佐白山の中でも特に地元で有名なトンネルであり、とくに夏場になると若者たちの肝試しスポットとして夜な夜な不気味な盛り上がりを見せる事で知られている。

このトンネルでの噂には幾つかのものがある。

・親子連れの霊が出る。
・トンネル中央でクラクション鳴らすと幽霊が出没する
・車で入るとエンジンが止まる
・武者姿の幽霊が出る。

佐白山の山頂付近には笠間城跡があり、様々な戦の数だけ、多くの悲しき歴史がそこには眠っている。そのせいか、ここでは戦国時代の武者と思われる霊体の目撃談をはじめ、様々な霊現象が多く聞かれる。

笠間城跡の入り口付近には「大黒石」といわれる巨大な石が置かれている。この石はかつて城に侵入しようとした敵兵めがけて転がされたといわれ、おおくの兵士を殺したあとようやく今の位置に止まったとされる。

この大黒石近くにある案内板によれば
『 鎌倉時代の初め、佐白山の僧兵と、七会の徳蔵寺の僧兵が その勢力を争って戦った。佐白山の僧兵は戦いに敗れて佐白 山頂近くまで逃げのび、山上にあった大黒石をころがした。
 徳蔵寺の僧兵は、ころげ落ちる大黒石の下じきになり多く の死者が出たため、佐白山の僧兵は、あやうく難をのがれる ことができた。大黒石は、そのときここまでころげ落ちて止 まったといわれています。この大黒石の中ほどに小穴があり 大黒のおへそといわれ、このへそに小石を三度つづけて投げ そのうち一つでも入れば、幸せがあると伝えられています』

といわれる。

また城跡へと登る最中には『百坊さん』という墓石と地蔵がいくつか連なる場所がある。ここはかつて戦で死んだ僧兵を弔うために作られたといわれる。

さらに、山頂には佐志能神社という古びた神社がある。ここには切り取られた長い髪が奉納されているという噂もあるが定かではない。
いまでは子連れの家族客や観光客たちがハイキングコースを利用して手軽に山登りを楽しめる場所として親しまれているが、かつては自然を利用した要塞として、多くの戦を戦いぬいてきた山でもある。ここで死んだ兵士達の霊は、いまもなおこの山を守り続けているのかもしれない。 夜にここを通るとたまにこの住居の入り口が光っているという。