宮崎県都城市関之尾町

関之尾滝

関之尾滝は宮崎県都城市関之尾町にある、日本の滝百選にも選ばれている滝である。母智丘・関之尾県立自然公園の中にある。大滝、男滝、女滝の三つがあり、幅約40メートル、落差18メートルあり大滝は11万年前の加久藤カルデラの噴出物である溶結凝灰岩を浸蝕して流れているものだ。

観光名所となっているため昼間はにぎやかだが、夜になると暗い雰囲気になり、自殺スポットとなる。滝壺に身投げして自殺する人が多く、トイレでも首つり自殺した人がいるそうだ。

関之尾滝はカップルできると破局するという噂もあるが、看板には男滝と女滝に酒を流して回ると必ず結ばれると書かれており、実は縁結びの滝である。しかしこの関之尾滝には伝説がある。北郷家の初代当主北郷資忠がこの滝で月見の宴を開催した際、領内一の美女と言われたお雪が資忠にお酌をしたが酒をこぼしてしまった。お雪はこのことを恥じて杯を持ったまま滝つぼに身を投げたのだ。お雪の恋人だった経幸はある日、あまりの悲しみから滝上からお雪の名前を呼んだが、ある日、「書きおくもかたみとなれや筆のあとまた会うときのしるしなるらん」と滝の岩に刻んで姿を消した。それ以来、名月の夜には滝つぼから朱塗りの杯が浮かんでくると言い伝えられている。

このような切ない伝説があるからか、この滝では自殺が絶えない。滝は落差が大きく水量も多いため、身投げすればかなりの確率で死亡する。全国的に滝は自殺スポットが多く、心霊現象が発生する場となっていることが多いが、ここ関之尾滝は特にそれが多いようだ。

また関之尾滝に車で行くと、少し前の道路にガードレールがある。このガードレールの中の一つは何度塗り直してもすぐに赤く錆びてしまうそうだ。実はこの場所はなぜか交通事故が多発する場所で、そのガードレールだけはすぐに錆びてしまうのだという。

関之尾滝での霊体験には以下のような話がある。

ある宮崎に住む大学生たちは男女4人で関之尾滝に肝試しにいった。昼には来たことがあったのだが、夜に行くのははじめてだったそうだ。夜の関之尾滝は昼間とはうってかわって、滝であるにも関わらず暗くじめじめとした空気が漂っていた。彼らは滝につくまでは、まったく恐怖感など感じず、わいわい騒ぎながらドライブしていたが、駐車場に車を止めて降りるとさすがに女性二人が怖がりだした。男性の方も微妙な空気を感じて怖くなったが、それを振り払ってズカズカと滝へと続く吊り橋を歩き始めた。

吊り橋の上では、先ほどの暗い空気から更に重い、緊張感を伴う雰囲気を感じるようになり恐怖感が増していった。このとき関之尾滝には彼ら4人しかいなかったのだが、なぜか遠くから人の話し声が聞こえるようになった。これに最初に気付いたのは女性の一人だったが、やがて全員がその声に気付いた。しかし男性二人は恐怖感よりも好奇心が勝っていたため、怖がる女性達を橋の近くに残して、さらに先へと進んだ。男性二人はこの先では何の心霊現象も体感せず、拍子抜けして15分ほどで橋へと戻ってきた。

しかし先ほどそこに残してきたはずの女性二人が見当たらない。急いで探しまわったところ、一人は橋の上で倒れ、もう一人は公衆トイレの中でうずくまっていたという。二人は気を失っていたため車まで運び、落ち着いてから事情を聞こうとしたが、その間のことは何も覚えていなかったそうだ。

これが心霊現象によるものなのか、それとも別の原因があったのかは分からないが、夜に興味本位でこの滝に近づくことはおすすめしない。どこの心霊スポットもそうだが、軽い気持ちで近づくと何があるか分からない。