熊本県阿蘇郡南阿蘇村 国道325号線

阿蘇大橋

熊本県阿蘇郡南阿蘇村立野に、阿蘇大橋と呼ばれる橋がある。阿蘇大橋は交通の要衝であり、立野の黒川と白川が交わる黒川渓谷にかかっているアーチ橋だ。この橋を渡ると南阿蘇高森の方向へ行くことができる。かつては赤い橋だったため赤橋とも呼ばれるが、これは自殺者が多かったことからついたとも言われている。近年では緑色に塗り替えられている。熊本では三大心霊スポットと言われている、自殺の名所である。

阿蘇大橋は渓谷にかかっているためかなりの高さがあり、飛び降りれば確実に死ぬことができると言われるため、自殺者が多いと言われる。橋野近くには自殺者を思いとどまらせるための地蔵がある。これは自殺者の慰霊のための役割もかねており、「まてまて地蔵尊」という名前がついている。かつては月に数回は自殺者が出ていたそうで、今では自殺防止のネットが橋の横につけられている。しかしそれでも自殺者はあるそうだ。

熊本三大心霊スポットと呼ばれるだけあって、心霊現象を体験した人は多く、体験談は後を立たない。その中のいくつかを紹介する。

ある女性はこの阿蘇大橋のすぐ近くに住んでいた。2000年代はじめまでは自殺防止のネットが設置されていなかったため容易に飛び降りることができた。そのためその頃は月に数回は自殺者が出て、その度にパトカーが来ていたのだと言う。特に多かったのが霧の多い季節で、自殺者の遺体はクレーンで引き上げられていたそうだ。近所に住んでいると、住民は皆慣れてしまって朝窓を開けるとクレーン車がいたり、渋滞して橋の上にいると目の前で人が飛び込んだのを目撃したり、ということも多かった。また夜に車で通ると霊の手招きが見えたこともあったという。橋自体には照明がついているが、夜は橋の向こう側が見えなくなって、車が吸い込まれるような不気味な風景になる。その不気味な雰囲気からか、誘われるようにして自殺していく人間も多かったそうだ。

阿蘇大橋は有名な心霊スポットであるため、霊能力者なども多く訪れているが、その多くがここは本当に危険だ、これ以上は踏み入らない方が良い、近づかない方が良いと口を揃えて言っている。また霊感の強い人が行くと通るだけで気分が悪くなったり、自殺の衝動にかられることがある。ある霊感の強い女性によると、自殺者の霊があまりに多く、それぞれが判別できないような大きな一つの霊のかたまりとなって仲間を増やそうとしているのだそうだ。この霊の大きな力で誘われて自殺する人も多いのかもしれない。

ある男性は自殺の名所だとは知らずに、親戚の家を訪ねて阿蘇大橋を車で通ったそうだ。しかし橋に近づくにちれて激しい頭痛や悪寒に襲われて顔面蒼白になったという。渋滞で橋の真ん中に止まると、日頃は健康そのものだというにも関わらず、いきなりあらゆることが嫌になって橋から飛び降りたい衝動にかられ、危うく自殺するところだった。

阿蘇大橋は今では自殺防止ネットがはられ多少は自殺者が減少したそうだが、自殺者自体の数は減っていないはずである。実は阿蘇大橋から更に進むと阿蘇大橋よりも高く、自殺防止の対策もまったくされていない橋があり、現在ではそっちの橋での自殺が非常に多いのだという。そこは阿蘇大橋に比べて自殺しやすく自殺者も多いが、まだ有名になっていない。しかし今後はそっちの橋が心霊スポットとして有名になっていく可能性もある。

とにかくこの近辺は自殺者からの誘惑が強いようなので、日頃から悩みを抱えていたり、落ち込んでいるような人は近づかないほうが良さそうだ。