岐阜県岐阜市月丘町県道152号線

鴬谷トンネル

【鴬谷トンネル】

鶯谷トンネル(うぐいすだにトンネル)は、岐阜県岐阜市にあるトンネルである。
岐阜市の金華山にあり、トンネル名は地名の「鶯谷」に由来する。

鶯谷トンネルは戦前、岐阜県庁舎などの官公庁街と岐阜市東部の交通を円滑にするため計画されたが、太平洋戦争のため中断し、戦後の昭和22年に開通した。

戦時中、まだ工事途中だった鶯谷トンネルは防空壕として使われていたとされ、このトンネの入口では爆撃によって命を落とした者も居るという。

そのためか、トンネル入り口には祠らしきものが建てられている。この祠はこの爆撃によって死んだ人々を祀っているとも言われている。

上り車線と下り車線があり、防空壕として使用されていたのは下り側だったとされ、そちら側の天井や壁から人間の顔が浮かび上がってくるとされる。

また一説によれば、なんとあの『口避け女発祥の地』と言われている。

トンネルの中を真正面から爆風が突き抜けたため、トンネル内に居た人々の遺体の口がパックリと裂けて見つかったものも多かったと言われている。
これら口の裂けた遺体の噂がひろまり、いつの間にか「口裂け女」伝説へと変化したという説もあるというのだ。

ちなみに、『口裂け女』とは、1979年から日本中に広まり、一時は社会問題にまで発展した日本最大の都市伝説である。

この口裂け女には幾つかの説があり、
・耳まで裂けた口で通行人を食べてしまうか、その人物をどこかへ連れ去る。
・「ヨーグルト食べる?」と尋ねる。「食べない」と答えると口裂け女に食べられる。
・肩を叩かれ、振り向くと刃物で切りつけられる。右肩を叩かれたら左、左肩を叩かれたら右から振り向くと刃物を避けられると祝える。
・「ポマード」と三回言うと、どこかに行ってしまう。
・三権茶屋や三宮などの『三』が付く場所に多く現れる。
また、口裂け女には何人か姉妹いるとの噂もある。
・口裂け女は二人姉妹であり、美人の姉を妬んだ妹がハサミで姉の口を切り裂いた。
・三姉妹が同時に交通事故にあい、そのうち一人の口が裂けた。残りの二人は事故死した。
・実は口裂け女は三姉妹で、全員口が裂けている。だが、じつはそのうち実際に口が裂けているのは一人だけで、もう一人は片面のみ、最後の一人はメイクだけであるという。もしもこの三人に出会うと「この中で誰が一番綺麗?」と聞かれ、この時メイクだけの人物を選ぶと助かると言われている。

さらに社会現象になっただけはあり『高速で走る事ができ、100mを六秒以下で走れる』『空中を浮いて追い掛けて来る』といった、かなり突拍子もない噂も流れている。
当時、この口裂け女の噂は小中学生を中心に爆発的に広がり、警察の出動騒ぎや学校が集団下校を行うなど、日本全土を巻き込んだパニック現象となった。
この噂がはじめてメディアに登場したのは、1979年1月26日の岐阜日日新聞であるとされている。
岐阜県でこの時取り上げられt噂は、精神病院からの脱走者として語られている。
同じ岐阜県の大垣市で座敷牢に閉じ込められていた精神病女性が夜ごとに外出し、精神に異常を来たしているために口紅を顔の下半分に塗りっており、それを見た人が「口裂け女」と揶揄しお恐れたという。
他にも、同じ岐阜県多治見市にある心霊スポットのトンネル内に、この精神病の女性が徘徊して子供を脅かしていたという話が元になったとも言われている。

この時メディアに掲載された話の前に、岐阜県には様々な口裂け女伝承が残されており、古くは妖怪などの姿で民間伝承の中に登場している。