静岡県熱海市熱海1993
錦ヶ浦
錦ヶ浦(にしきがうら)は静岡県熱海市の魚見崎周辺の地域を指す地名である。
同市上多賀までの相模灘沿いを指すとも言われるが、この区間には曽我浦という地名もあるため、厳密には錦ヶ浦の範囲は曖昧だといえる
錦ヶ浦の海岸は断崖絶壁であり、港などが無いため人家は殆ど無いものの、その絶景を売りにした宿泊施設がいくつか見られる。
切り立った崖の中ほどを、伊豆半島東岸の主要道である国道135号が通る。
断崖絶壁で景色が良いとの事から、度々ドラマや映画のロケ地として使用されている。
しかし、ここは自殺の名所として有名な心霊スポットであり、かつてこの場所でイタコの降霊実験をしたり、霊を念写撮影した番組もあったされた事でも知られている。
かつてこの道路は崖のうえを走っており、ガードレールすらなかった言われる。
そのため転落事故はもとより、多くの自殺者が出たとされており、その総数は500人を超えているとも言われる。
そのせいか、今でもなおこの場所では、まるで自殺者の霊に吸い寄せられるように崖から落ちる人が後を絶たず、現在では崖の部分には柵が設置されている。
また、この場所では成仏出来ずに、そのまま地縛霊となった自殺者達が、この場で自殺しようか迷ってる人に取り憑いて引きずり込むと言われているため、精神的な不安を抱えている人物がこの場所を訪れると、衝動的に崖から飛び降りてしまうとも言われている。
実際に、この崖に立つと恐ろしいほどの高さのせいか、まるで足が言う事を聞かなくなり、そのまま崖に吸い込まれそうになってしまう。
また、事故防止用に設置されている柵は景観を崩さぬよう低めに作られているので、容易に乗り越えてしまえるのも自殺の多い原因かもしれない。
実際にここで起きた自殺者の霊の目撃証言としては、タクシー運転手の証言が有名である。
それは昭和50年の6月の事。季節はすでに梅雨にはいっており、夜中になってもまだ雨が降っていた。その日の22時頃には、錦ヶ浦のめがねトンネルの入り口近くで、青いを服を着た女と、赤い服を着た女の二人の若い女性をタクシーが拾った。
乗り込んだ二人の女性は「沼津まで」と運転手に行き先を告げる。運転手はこれに従い車を走らせるも、後部座席の二人は押し黙ったまま、終始無言であったという。
奇妙な二人組に気を取られつつも道を走っていると、ふいに運転手はある事に気が付いた。
いつもな20分もあれば十国峠にでるはずが、なぜかもう30分も走っている。決して、雨だからといって速度を極端に落としていたわけではなく、不思議におもいながらも道を進んでいると、いつの間にか納骨堂の前に来てしまった。
しまった、道を間違えた。
車をバックさせようと後ろを見ると、後部座席に女性二人の姿は無かった。
その翌日、一人の観光客が海を眺めていると、風の音に混じって女性の悲鳴のようなものを聞いた。慌てて崖下を見てみると、大人一人と子供二人が海に浮かんでおり、そのうち、大人方は完全に海に沈んでしまったのか、海面に長い黒髪がユラユラと揺れているのが見えた。もしかしたら、母親が溺れたのかもしれないなのかもしれないと思ったがどうすることもできず、呆然と見ていたが、そのうちに突然、三人が水面に立ち上がり、沖の方に流れるようにスーッと移動し消えてしまった。そのうちの子供は二人とも女の子であり、一人は青い服を、もう一人は赤い服を着ていたとされる。
他にも、周辺のトンネルには子供の霊が出るという噂がある。
その噂によれば、深夜錦ヶ浦トンネルを走っていると、その中央で石を積んで遊んでいる子供が複数人現れるという。その数は5人とも6人とも言われるが、共通するのは必ず石を積んで遊んでいるという事である。
そのうちに、子供の一人が歯をむいて笑うと、全員で車に向かって襲いかかってくるといわれており、もしも追いつかれると、そのまま海の中に沈められると言われている。
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