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エイリアン2 続編というハードルを難なく越えて成功した稀な作品

SF系ホラーといえば「エイリアン2」は外せません。唯一といっていいほど、繰り返し観ても耐えうる映画です。ジェームズ・キャメロン監督の才能と手腕、主演のシガニー・ウィーバーのミックスアップ作品です。才能のぶつかり合いをこれでもかと満喫できるだけに、1986年の公開から30年近くを経ても尚、色あせません。
前作の「エイリアン」はリドリー・スコット監督ですが、こちらの作品は「ねえ、知ってる?地球人ってエサなんだよ」といわんばかりの、宇宙空間での人間の無力さを描いていました。対して、続編の「エイリアン2」では打って変わって母性がテーマ。エイリアンにも母性があり、主人公のリプリーにも母性がある、その対決となります。
「エイリアン2」では、唯一の生き残りである少女・ニュートを保護し、帰艦する目的がありますが、エイリアンとの闘い方を知っているのはリプリーだけ。そして同行する屈強な植民地海兵隊員が次々とエイリアンのエサにされていく中で、迫りくるエイリアンの大群とどう戦うのかが見どころです。
さて、映画の続編は往々にして駄作という概念を覆した「エイリアン2」ですが、第一作の「エイリアン」よりも評価が高いのはテーマが明快で、最後まで丁寧に描かれているからです。また、人間の捕食に執着するエイリアンと最後の最後まで戦うリプリーの知恵には、人間の持つ最終兵器を感じさせます。エイリアンには知恵というものはありませんから。
エイリアンをデザインした鬼才H・R・ギーガーのような、新しいエイリアンを作り上げる人はもう出てこないかもしれません。NASAがいまだに地球外生物を水や酸素にこだわって探している理由がわからなくなるほど、エイリアン像を定着させた作品です。
映画を観終わった後、ありったけの敬意を表すべき作品。