死霊のしたたり 0年代ホラーの代表作。

スプラッターシーンのインフレで登場する人物全てが血や内臓の詰まった肉袋にしか見えなくなった80年代。
5分1回、ショッキングシーンがあるの売り文句の元に製作された、そういった意味で間違いなく80年代ホラーの代表作。
タイトルに「死霊」とありますが、死霊が出てくることはなく、そして何かが「したたる」ということもなく。
ジョージ・A・ロメロのゾンビ三部作3作目「デイ・オブ・ザ・デッド」の邦題に、何故か「死霊のえじき」が採用されてしまっているこの時代、そのあだ花的なタイトルがまず感慨深いです。ちなみに原題は「リ・アニメーター」。
これ、実は原作はクトゥルー神話なんですよね。死体蘇生薬を開発したマッド・サイエンティスト、ハーバート・ウェストのエピソードを映画化。ただしクトゥルーを期待するとエラい目に遭いますよ。本作の最大の売りはヒロイン役のバーバラ・クランプトンの美しくもエロいおっぱいと言っても過言ではありません。
さて、この映画とバーバラたんのおっぱいで一躍有名になったスチュアート・ゴードン監督は、その後、隠れた名作を次々と撮影していきます。お勧めなのが人形ホラーで最も怖く最も切ない感動ホラー「ドールズ」。また15世紀のスペインを舞台にした、エドガー・アラン・ポー原作のゴシックホラー「ペンデュラム~悪魔のふりこ」。
これは宗教裁判や拷問などを様式美にこだわって表現した作品で、地味に怖い悪夢メーカー。そのどれもが現在は入手困難なのが残念なところですが、最近はブルーレイとかで復活したりもしてるようです。
ホラーが大好きで、80年代ホラーの雄、トビー・フーパーは観尽くして何を観ればいいのか分からないとお嘆きの方にお勧め。