かつての旧友4人が再びメキシコ湾に集まった。
エイミー(スーザン・メイ・ブラット)は海にトラウマがあり、救命具をつけながらも、旦那のジェームズ(リチャードスパイト・ジュニア)と愛娘を連れて、元恋人のダン(エリック・デイン)の豪華ヨットに乗り込む。
ダンは相変わらず軟派で、豪華ヨットで頭も尻も軽そうな女ミッシェル(キャメロン・リチャードソン)を乗せていた。
インストラクターもこなす体育会系のローレン(アリ・ヒルス)は、お互いに心を通わせていたザック(ニクラウス・ランゲ)との再会にお互い胸をときめかせていた。
さて、出世して豪華ヨットも持つダンだが、あまり船の知識を持っていない。それでも透き通る海に興奮しているため、皆がシュノーケルやナイフなどを持って我先にと海へダイブする。
まだ幼い娘を部屋に寝かし、救命具をつけたままのエイミーは、海を見下ろすことも出来ずに甲板で日光を浴びていた。
そんなエイミーを、ダンはむりやり抱き上げて二人一緒に海に飛び込む。
幼い頃の恐怖の海の思い出が交錯する中、エイミーは悲鳴を上げながら海に落ちていく。
そしてこの映画の恐怖が始まる。
ダンははしごを下ろさずにダイブしたのだった。
エイミーが意識を遠のかせている中、他の5人ははしごが降りておらず、船に戻れない恐怖と、海の冷たさで心から凍りつくのだった。
実話を基にした海の恐怖映画だが、無名俳優を使った低予算映画らしく、大掛かりなものは何もない。ただこの物語が本当に自分の身に起ったらどうしたらいいのかと、実話らしい恐怖が襲ってくる。
一体どうやって彼らは船に登るのか。一種のミステリー小説のような話展開と、細部に施された海の恐怖を煽るような撮影方法は楽しかった。
ダンの最初から最後までのだめっぷりは、まるで若いアメリカンドリームの敗者を見ているようだった。彼があと少し利口ならば避けられた悲劇だった。
身の回りに起こる事件も、もう少し利口に行動してたら避けられたものが多いだろう。日常と重なる部分があるとリアル間が増す。
ミッシェルのパニックも、ごく当然に起こることだろう。寧ろエイミー、ジェームス、ローレン、ザックの冷静さは見事だった。
心臓発作で海の中に沈んでいった父親。助けられなかった自分。
ある意味最後はエイミーが娘を助けられただけで、その過去の償いになったとおもった。
命は連鎖するから。
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