REC/レック 息苦しさや焦燥感を楽しめる方専用

「REC/レック」は、2007年にスペインで公開されたホラー映画で、R-15指定。
イタリア・スペインはホラー映画大国なのですが、監督のジャウマ・バラゲロもスペイン人です。
作品は、ハンディカメラを持ったままの陰湿な映像で恐怖感をあおる撮影法です。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」でおなじみになり、「クローバーフィールド/HAKAISHA」でその手法はもろ刃の剣と酷評されてしまいました。
それはともかく、物語は消防士の活躍を取材にきた女性レポーターとカメラマンが緊急出動についていった、あるアパートでの惨劇です。未知のウイルスによる感染症で凶暴になった住人が人を襲い、消防士やレポーターも標的になる、という展開です。
「REC/レック」は非常に狭い範囲での物語で、観ているこちらも息苦しさや焦燥感を感じるのですが、「カメラマンもっとしっかり撮って!」と叫んでしまう、このイライラ感を楽しめないとただの苦行になってしまいます。
「こういうのはブレア・ウィッチ・プロジェクトで飽きたよ」という方には念のために付け加えておきますが、ストーリーの“核心”はあります。
ここからは勝手な推測ですが、ジャウマ・バラゲロ監督は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の、当時話題になった宣伝方法やメディアミックスが嫌いなのではないか、と思うのです。
同じ撮影方法ながら、戦略やストーリーの核心をきちんと見せる部分では、「俺ならこう撮る」というメッセージがみてとれる作品なのではないかと思います。