香港映画では、「男たちの挽歌」(英雄本色)や「ゴッドギャンブラー」(賭神)と共に、本作の名を挙げなければならないでしょう。東洋人にしか作れない、生死の境をたゆたう美しいロマンスに世界が驚愕したものです(オーバーか?)。
美人幽霊ジョイ・ウォンを成仏させてあげるため、当時の香港映画きっての二枚目レスリ-・チャンが頑張る。基本的に妖怪を倒す話なのだが、主役のレスリーは道士でも剣士でもなく、ただのヘタレ書生。恋ゆえに涙ぐましい努力を続ける姿が、この線の細い二枚目俳優にぴったりだ。女性ファンはさぞときめいたことでしょう。
ジョイ・ウォンの美しさについては、今さら言うまでもない。
彼女はこの作品でこの役を演じるために、上帝が遣わした仙女に違いない。
ワイヤーを多用した特撮バトルは、とても20年前の作品とは思えないハイレベル。
妖怪の造形もいい。ビオランテの従兄弟みたいな樹妖もいいが、ラスボスの黒妖怪は更に良い。
美男美女・異形の怪物・超自然のバトル、そしてほろ苦い余韻を残した結末。ファンタスティックな快楽がすべて揃っている。本作の大ヒットのあと、同工異曲の幽霊物が大量に製作されたのも無理はない。人に強くオススメはできないけど、なんか無難な映画が見たいですって人には勧められるかも。今こうして見ると、宗教が入り混じりまくっているのがよくわかって興味深い。人々の心に根付く宗教ってこういう事なのかも、と。例えば、「仏教」という言葉の曖昧さ・・が、よくわかるのではなかろうか。
コメントをするには会員登録が必要です