八仙飯店之人肉饅頭 伝説の人肉饅頭

実はアルバトロスという事で、作中に多少端折りがあってもそこは手加減して観てやろうと思い甘めの視点で観始めた。
しかし腕や足といったバラバラ死体もB級映画の割には大変凝った作りで、弾力感や時間が経って腐敗して膨らんだ質感がとても良かった。
肉を切る寸前まで実際の人間を使うあたりも上手く繋げていると思う。
そして何より私を納得させたのは、主人公の容疑者が刑務所に入れられてからのあの惨劇である。
刑務所では被害者の弟に死亡寸前まで暴行を加えられ、自分の動脈を噛み切って病院に運ばれた後も次は刑事達にとことん薬を使ってまでも痛めつけられる。
本来人殺しというものはこれくらいの肉体的罰を受けるべきなのだ。
現在加害者の人権も守るべきといった考えが社会に蔓延しているが、その考えを払拭するかのような潔い描写である。
一家殺害を犯した容疑者がその身内に徹底的に痛めつけられる、こういった映画はあまり見当たらないので今回はとても清々しく見る事ができた。
あそこまで痛めつけられるシーンを見せ付けられると段々あの主人公が逆に可哀想に見えてくるのだが、そこで殺人犯という考えが挿入される事によってまた納得にいく場面に早変わりするのだから人間というものは恐ろしい。
首を傷付けられた看護婦が仕返しと主人公の背中に水を注入して人工的に水ぶくれを作らせる場面も痛々しいのだが、因果応報という考えをもってこの場面を見れば納得のいくものとなる。
何回も言うようだが、この映画では殺人犯という人種を誰一人擁護しようとはしていない。
社会的罪を犯したものを徹底的に尋問を敢行し、徹底的に復讐し、徹底的に痛めつけるのだ。
偽善者に侵食され尽くした映画が多い中、今回はとてもいい映画を久し振りに観た。
アルバトロスもたまにはいいものを作るじゃないか。