1978年に起こった実話。怖くないのは分かってたのだけどもこれはあまりにも不幸なお話だ。
時代は昭和。口裂け女がどうしてこうなったのか?をテーマに実際に栃木県で起った殺人事件を基に構成された話し。物語前半は甘酸っぱい学園恋愛もので正直つまらんです。しかし、主人公の姉の結婚を期に徐々に徐々に不幸になっていく主人公及びその家族。見ていくうちに怖いよりも、「可愛そう」「ひどい」という言葉が脳内を埋め尽くします。これ見れば口裂け女の噂(ポマードとか足はやいとか3姉妹とか)全てわかります。
主人公の女の子とその家族の不幸の連鎖が凄まじい。が…事件自体は実際のお話しなので非常に生々しい。
コートに包まれながら山に棄てられ…その後命からがらに懸命に意識を取り戻しボサボサの髪、硫酸でただれた顔で汚いコートを纏いボロボロの足で山を下り家に戻る姿は何とも言えない。このシーンは凄まじい。
最後の商店街で心身ともに口裂け女になるシーンは少しだけ物足りないのが残念。それ以外のシーンはあまりにも不幸過ぎてこちら側、受け手側が感情移入してしまうくらい悲しい物語になっている。口裂け女を始め昭和の怪談にまつまわる話しに興味がある方は見ても損はない一本。怪談のもとの話しはどれも人間が生み出す憎しみだとか妬み、恨みが発端になっているというのが良く理解できると思う。
見終わった後の虚しさというか切なさというか、何か悲しいです。
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