キャメロン・ディアスの家庭にある日、箱を抱えた気持ちの悪いオヤジがやってきます。
「へへ・・・どうも奥さん・・・。ボタンです。正真正銘、どこのなんでも鑑定団に出しても恥ずかしくない、ちゃあんとしたボタンですよ。ウフフ・・・押したそうなお顔をしてらっしゃる・・・。押していただいて結構です。そのつもりでお持ちしたのです。しかも、押していただいたら、さらにお金までお支払いいたしましょう。嘘じゃありません。カッキリお支払いいたしますとも。ただし、一度押すと、誰かが一人、どこかでお亡くなりになる仕組みになっております。なあに、毎日何人もの人間がたくさん亡くなっている中の、たった1人を増やすだけですよ。そのお美しいお指で、チョイとこのボタンを撫でてくださればよいのです。明日またお訪ねいたします。
お金をご用意してやってまいりますよ・・・きっとそうなるでしょうがね・・・では、ごきげんよう、奥様・・・」
旦那は用心深いので押さないと決めますが、キャメロン・ディアスはもう、押したくて押したくてたまりません。
お金は喉から手が出るほど欲しいです。
それにも増して、自分の手でボタンをそっと押すだけで、自分の知らない誰かを殺してしまうという、なんとも言えない背徳感にゾクゾクしてしまうのです。
味気ない毎日。
心の離れた息子。
夜のお勤めは無期限休職中で、夜の有料ハローワークに勤しむだけのクズ旦那・・・。
そんな日常が一気に色づくような、刺激的な欲求に、我慢なりません。
その時、旦那が「知ってる?石原裕次郎と渡哲也は同じ誕生日なんだって!」と話しかけたため、キャメロンは思わず「ヘェ!」とボタンを押してしまうのでした・・・。
大体こんな感じの話です。
最初はデビッド・リンチのような不条理劇かと思いきや、それなりに仕組みが語られる親切設計です。
しかし、こういう話は理由等が語られると途端に興醒めしてしまうものです。
この映画の評価が異常に低いのは、きっとそこにあるのでしょう。
まあ、トワイライトゾーンの一話みたいなものだと思えば、すんなり呑み込める話ではあるんですけどね。
個人的にも「そういう話!」と呆れた瞬間もありましたが、その後なかなかキツイ展開が待っているので、最後まで緊迫感を楽しめました。
自分はなかなか面白かったですね。
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