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チュパカブラプロジェクト チュパカブラ

酷い出来。いろんな意味で凄い映画。
話は、伝説の怪物「チュパカブラ」を探検隊が探しに行くという単純なもの。
それを、あたかもドキュメンタリーであるかのように撮影、編集してある。
このような映画は、「モンド・フィルム」あるいは「ショックメンタリー」と呼ばれ、グァルティエロ・ヤコペッティ監督の『世界残酷物語』以降に確立されたものなのだが、そんな映画史の話などどっかにすっ飛んでしまうぐらいチープ。
ドキュメンタリーというよりは、どっかの酔っ払った大学生が、ホームカメラをもって悪ふざけをしている様子を撮ったんじゃないかというぐらいひどい。
もはやここまでくると、「あえてドキュメンタリーの手法をとったな。ニヤリ」なんていう深読みも出来ず、「ああ、本当に金がなかったんだなー。かわいそうに」と哀感の情すら覚えてしまう。
茶々を入れながらみるのなら、(というか、それ以外にあえてこの映画を見る理由が見当たらない)この映画は全編がハイライトだが、とりわけすばらしいのは、最後の捕獲したチュパカブラを解剖するシーン。
誰がどう贔屓目に見たってゴム人形である。
このシーンを見たとき、僕はテレビの前で唖然としてしまったが、今なら笑ってすごせそうな気がする。
もう一回見る気は起きないけど。
だが、ここまでクソっぷりが堂々としている低予映画をみると、作者の映画への思いが伝わってきて微笑ましい。
クソだけど、なんだか憎めない。