悪魔の棲む家 実話を映画化

怪奇現象が起こり、親父は気がふれて、オノをふりまわし、家族を殺そうと。なんだか「シャイニング(S/キング)」に似てますな。
オリジナル版公開当時、なんというか、正直、おもしろくともなんともないので、「実話がもとになった」という”フレコミ”がなければ、ヒットしたのか、と、いぶかる声が多数あった。
それほどに、話としては、おもしろくともなんともない(笑)今回のリメイク版でも、それは同様。たいした内容ではない(笑)
そうなってくると、演出や映像の”好き嫌い”ということになってくるが、オリジナル版が「静と動」を極端に配置し、”霊感”という雰囲気を大事にした、ある意味、まどろっこしい演出だったのに比較し、リメイク版では、特殊メイクや、CGを、これでもか、これでもかと持ち出し、「ジェットコースター」的に、「動、動、動」で物語をすすめている。現代風って感じでしょうかね。
ただ、主演の男優については、一言いいたい。
オリジナル版では、「いい人」だった親父が、どんどん「顔色が悪く目の下にクマをつくり」、ものすごく残忍な事件を起しそうな悪人顔になっていく。
しかし、今回のリメイク版では、最初から最後まで血色のいい「いい人」のイイ男のまんまだ。
そうすると、役者自身が、どんどん”気がふれていく”演技だけで物語を盛り上げていかねばならないが、その技量は、ジャック・
ニコルソンには遠く及ばず、ただのイケメン俳優のままである。
それでは、おもしろくない(笑)
そのせいか、本来、恐怖の主人公ではない、嫁さん、子供、家政婦、神父の方が、なぜか光って見える。
彼らの怯え方が、とってもよい。とても、恐怖を感じる。
どうしても、観ているうちに、シャイニングとかぶってくるのだが本作の監督・製作陣は、「悪魔の棲む家」のリメイクではなくひょっとして「シャイニング」のリメイクを作っているつもりだったのだろうか。