名匠・篠田正浩監督が、鹿賀丈史を金田一耕助役に迎えて送る推理サスペンス。
本作の金田一耕助の風貌は石坂さんの金田一に非常に近い物になっており、そこは原作に割と忠実かもしれません。
物語のキーパーソンとなるヒッピーを古尾谷雅人さんが演じてますが、ヒッピーというその時代を象徴するキャラクターを登場させるに当たり、ジョン・レノン暗殺というタイムリーなネタを盛り込んで来たのはさすが篠田監督と言った所。
主題歌も『Let it be』なんですが、版権の問題でDVD版ではビートルズではなく他のアーティストがカバーした物が使われており、そこは非常に残念。
そしてジョン・レノン暗殺もちょいネタくらいの扱いで、本編に殆ど絡んで来ないのがまた残念なところ。
だからエンディングの『Let it be』もいきなり流れ出す感があっていまいち説得力に欠けます。
そして犯人の予想が非常に付きやすいです。
勘の良くない人でもすぐに犯人の正体に気付くでしょう。
個人的な本作の見所ナンバーワンは岩下志麻さんの半狂乱のシーン。
妖艶でいて恐ろしい。
こんな不気味な美しさを湛える女優さんだとは知りませんでした。
そして岸本加世子さんの壮絶な死体はトラウマもの。
このシーンはある程度覚悟して見た方がいいかもしれません。
鹿賀丈史さんによる金田一耕助、俺は結構好きです。
思ったよりハマってました。
篠田監督作品の割には雑な印象を抱きましたが、別に目も当てられない酷い内容というワケでもない。
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