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ソドムの市 考えれば考えるほど虚しくなる

パゾリーニのソドムもあれはあれで有りだったといえば問答無用で軽蔑されるかもしれないが、それでも好きなんだから仕方ない。
そしてこのソドム、これが面白い。
めちゃくちゃに面白い!
最初から最後まで、まるで我が子を見守るような温かい気持ちで観てしまった。
高橋洋が、、リングで当てたあの高橋洋が、、こんな映画撮るんですよ!
おとなしくテキトーに権力に従ってれば多くの人間にリスペクトされるのに…
そんな中年のおっさんが、日本で、こんなものを撮っている。
本当に泣ける。
どんなラブストーリーよりも間違なく泣ける。
だけどどうせ「えぇ、だってこれ、ホラーじゃないの?全然怖くないし!笑いもベタ!」とか言う人がほとんどなんだろうなあー。
まー、仕方ないといえば仕方ないというのもわかるけどさー。
なんだかなー、悔しいというか、悲しいというか。
映画を、専門的に勉強してる人やマニアだけが楽しめるものにしようっていうのは絶対に間違ってるはずなんだけど。
でも、いわゆる「テレビ最高」って人の考えっていうのは「ホラーだったら何も考えずにただただ怖くなくちゃいけないし、コメディーだったら何も考えずにただただ笑えなきゃだめだよね~、あ、あと感情移入して泣けるってのもマジ欲しいしっ!」
という意見であり、そういう人は想像以上に多く、一つのコミュニティーがあったら10人中9人がそういった考えであるらしい、という恐ろしい事実につい先日直面してしまったばかりなので、本当に落ち込む。
いや、落ち込んだからといって、何も状況が変わらないというのはわかっている…結局日本の映画なんて、ずっとアップで、クラシックをガンガンに流してれば満足する人間がほとんどなんですよ、それは都市伝説じゃなくて、本当の話なんですよ、ということを確認しただけだ。。