この映画、実は俳優序列はピーター・カッシングが上。つまり、主役はカッシング。そのせいか、「待ってました」ヴァン・ヘルシング博士がやたら渋くてかっこいい。
その上とてもアクティブ。ラスト、食台の上をだだだっと走りぬけ、窓に下がったカーテンに飛びついて引っぺがすシーンなど、「おおっ!」と目を見張るヒーローぶりです。
とはいえ、やはりクリストファー・リーのドラキュラ伯爵は、個人的にドラキュラ史上最高のドラキュラ。
長身痩躯で気品があって、セクシーでしかもむやみと力持ち!。
これ一作でリーは大スターとなり、13年後にもう一度「ドラキュラ‘72」でカッシングのヘルシング博士と対決した時には、堂々、俳優序列のトップに君臨したのでした。
ちなみにクリストファー・リーは、世界で一番出演した映画の本数が多い国際俳優として、ギネスに認定されています。しかも、現在も記録更新中。さすが不死者。
よくよく考えると、映画の中でドラキュラ伯爵の居城がトランシルバニアとは言われてません。なんと馬車で一晩で着ける場所にある。
従ってドラキュラは船に乗って来ないので、幽霊船の曳航もネズミの上陸もない。ジョナサン・ハーカーはミナではなくルーシーの婚約者で、しかもドラキュラ城で死んでしまいます。ミナはルーシーの兄アーサー・ホルムウッドの奥さん。レンフィールドもセワード医師もアメリカ人の富豪も出て来ない。…ほらね、全然原作通りじゃない。
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