「ミザリー」という単語がたまに飛び交うことがありますが、その「ミザリー」自体が一体何なのかは詳しく知りませんでした。
が、この映画を見てようやく「ミザリー」という単語の独り立ち、そして意味合いがようやくわかることになりました。
この物語を簡潔に書くと、小説「ミザリー」シリーズのヒロイン・ミザリーを作中で死に追いやった小説家が、ミザリーを愛する女性アニーに監禁され、愛と狂気と恐怖のどん底へと落とされていくお話です。
小説家ポールと熱狂的なファンアニーの戦いっぷりは、迫力と共に心の底からハラハラドキドキさせられます。
また、この怪女アニーの演技がまたすごい!
甲斐甲斐しく世話をするお茶目な女性かと思えば、いきなり狂い叫び、突然意気消沈し、今度は不気味な笑顔で迫ってくる!
こんな女性とは絶対お近づきにはなりたくないと、誰もが思うこと間違いなしです。
視聴者は必然的に、アニーと接する以外に選択肢が無いポールサイドから見ることになるので、ここでまた絶望感を味わえます。
この作品は本当によくできていて、行き過ぎたファンの異常性をしっかりと描いています。
最初、あらすじを見ただけでは「ホラー作品?」と首を傾げましたが、中身を見てみれば「納得のホラー作品」です。
お化けが出るわけでもなく、呪いをかけられるわけでも怪奇現象が起こるわけでもなく、ただただ「情熱的な人間の恐ろしさ」という新ジャンルを見せていただける一品です。
そして、この作品からは「熱狂的なファンの恐ろしさは、時代も国も関係ない」という事を学びました。
自分も「ミザリー」、もとい「アニー」にならないように気をつけようと姿勢を正すことができる、素晴らしい作品でした。
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