スポーツキル 地獄の殺戮ショー ホステルっぽい

「百貫デブの主催する人殺しショーへようこそ!」
特にこれ以上、この映画を説明するような言葉は見当たりません。
金持ちが面白半分に人殺しをする秘密組織がある、という都市伝説を映画化して、見事ヒットした「ホステル」という作品があります。
この映画を観て、「これならオラにも作れそうだ!さっそく作って、儲けたお金でハンバーガーを腹いっぱい食べたり、性風俗のお店に通うゾ!」と思ったのでしょう。その結果がコレというわけです。
正直、もっと大きなステージで、捕らえられた人々が殺し合いを強制させられるバイオレンス・アクション(お色気もアリ)だと思っていました。
ところが、舞台となる殺し合いのステージは本当に狭く、成人映画専門の劇場や運動部の部室、場末のディスコを思わせるほどです。映画はここと、木組みの迷路(もちろん狭い)ばかりです。
映像も終始暗く、「地下だからあえてそんな効果を出しているのかな?」と思っていると、外のシーン(晴天)でもやっぱり暗い。単に技術的な問題のようです。
そんな中、ショーの司会を務める百貫デブは常にノリノリです!客も5~6人しかいないというのに、まるで人気クイズ番組の司会者にでもなったかのようです。
深夜ラジオと美少女コミックしか拠り所のなかった学生時代の鬱憤でも晴らしているのでしょうか。
彼の仲間は、パーマン(頭がパーという意味)と無口な覆面男です。パーマンはエロ本でも与えておけばなんでも言うことは聞くだろうし、覆面男は多分親戚(前科あり)でしょう。
覆面男は刀で刺されても平気な、とにかく頑丈な方です。世の中には体が丈夫なだけで、頭も心もカラッポな人がいますが(照英など)、人殺しなどせずに筋肉番付に出ていればお茶の間の人気者になったかもしれません。
そんな彼等が、恐怖の秘密組織の全容というわけです。この映画にこれ以上何かを求める意味が無いことは明白です。
とにかく自主制作映画丸出しの内容で、まったくお金がかかっていません。日本の配給会社はいくらで買ったんでしょうか。劇場公開まで一応したみたいですから、もう少しマシだと思ったんですが。
ただ、意外に最後まで(それほど)飽きずに見ることはできました。
もっと金が掛かっている映画で、眠くなるものも沢山あることを考えると、そう悪くはないのかもしれません。
お金を与えたら面白い映画を撮る可能性が、3%くらいはあるでしょう。
展開もわりと意外で、見ている人の期待を完全にスカすあたり、カンヌ映画祭あたりを意識でもしてるんでしょうか。そういうのはもっとちゃんと作ってからやるべきだと思うんですが。