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田舎の学校風景だなあ、となぜか懐かしさを感じてしまう。夏休みだというのに制服を着てぶらつく子供達。また、先生にもこんな”周りのことにかまわず自分の好きなことに没頭する”ような先生も、いた...かな?でもイメージとしてそんな先生像は一昔前にあったような気がする。
諸星大二郎の原作漫画の実写化ということで、映画の評価としては賛否両論あるようだが、本来あまり原作と関連付けをしてみるのはフェアではない気もする。”どこまでやれば漫画の実写化として許されるレベルになるのか”なんてかなり曖昧な基準で、これを見て”漫画と世界が違うからこの映画はB級”というのは、そもそも評価観点としてズレていると思う。塚本信也という映画に対して独自の世界観を持った監督が作った作品だからこそ、そのフレーバーを織り込んで、映画として別にリリースするのはそれなりに意義のある行為だし、それはそれとして一つの作品として認められるものではないか?単に”諸星大二郎原作”という一言で評価観点が比較にばかり向いてしまうのは、単純にコマーシャリズムに踊らされているだけではないだろうか?
まあそうは言っても原作の縛りは製作者にとってはチャレンジし甲斐のあるモチベーションであると共に、超えるのが困難な壁でもある。
本作品もそんな”呪縛”に苦しみながらも、塚本作品らしい、”走る”シーンなどの、塚本味が随所に見られ、古めで、原作がある作品にしてはかなり前衛的な仕上がりとして見える。映画自体が監督のネームバリューでしか評価できなかった時代から、もっと新しいイマジネーションを働かせてきた革命的な変化の中で生まれた作品としても十分興味深い作品ではある。